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割り込むように声を荒げたのは鈴木アーデルハイト。決闘を申し込むと言って、やる気満々だ。獄寺隼人が相手になると言っているけど、それはリボーンに止められていた。
その判断は正しい。だって、彼はSHITT・Pとの戦いで炎を使い切ってる。ランボが勝てる相手ではないし、今の沢田綱吉が相手になれるとは思えない。
「A、頼めるか？」
「残念ながら、この戦いに僕は手が出せないんだ」
「……やべえな」
遠くでプロペラが回る音がする。徐々に近付いてくる音に、タイミングが良いなぁと笑ってしまった。
「復讐者の掟に従い、互いの誇りを懸けて勝敗を決する。沢田綱吉、貴様の誇りを言え！！」
「……え……？誇り……」
「迷うことなどないはずだ。貴様の体に流れる残虐な血こそが、貴様の誇りだろう！！」
抉るような言葉に、沢田綱吉が動揺を見せる。急接近してくるヘリが風を巻き上げた。そのヘリから姿を見せたのはヒバリさんで。
飛び降りたヒバリさんは着地した途端、つかつかと近付いてきて僕の頬をつねった。
「いっ！？」
「連絡もしないで何してるの」
「いひゃい！！」
バシバシと腕を叩けば、頬は解放される。つねられた頰を手で隠していると、ヒバリさんはじーっと僕を見ていた。
「ここ、圏外なんですって」
「君ならやりようはあったはずだけど」
「それはそうですけどぉ……」
今度は隠していない方のほっぺをつねられる。ごめんなさいと涙ながらに謝れば、ようやく満足したように頷かれた。頰に両手を当てて、むすくれる。
「ヒバリさん……」
「やぁ、小動物。どこだい？継承式で暴れたもう一匹の小動物は」
「エンマのことだな」
「言っておくが、ボンゴレの卑劣なボスと我らシモンのボス、炎真は似ても似つかん！一緒にしてくれるな！」
ヒバリさんが僕を見る。首を傾げて、少し考え込んだあと、首を振った。すると、ヒバリさんは沢田綱吉たちに目を向ける。
「何か違うの？生態的に」
「え？なっ！生態！？」
何も違わないと思うけど。人間には変わりないし。
変なのと思いながら、どうするのかと見守っていれば、鈴木アーデルハイトがヒバリさんに対戦を申し込んだ。だけど、ヒバリさんは断る。
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作者名：怜
| 作成日時：2023年2月20日 23時
