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「以前の屋上での戦いで君という獣の牙の大きさは見切った。君じゃ僕を咬み殺せない」
「何！！」
「まぁ、だけど。僕の欲求不満のはけ口に丁度いい、肉の塊だ」
結局戦うんだ？というか、この前僕と戦ったばかりなのにね。気持ちよく咬み殺せなかったから、欲求不満ってこと？まあ、いっか。
それから鈴木アーデルハイトが自身の誇りを言う。彼女の誇りはシモンファミリーと粛清の志だって。ヒバリさんのはもう分かりきっているけど、今一度言うのなら、並盛中学の風紀とそれを乱す者への鉄槌だね。
「ならば、ルールは簡単だ。腕章没収戦！！！極めて単純なルールだ。相手の腕章を先に奪った者の勝ちとする。手段は選ばない」
「僕は今、イラついてるんだ。それを紛らわせられるなら、何でもいいよ」
「では始める！！我が大地の属性は氷河！！！」
地面を蹴った鈴木アーデルハイトが滝へ飛び込んでいく。何かを投げつけたかと思うと、滝が凍っていった。氷河の特性は凍結ってところかな。
強度がいかほどにかもよるけど、パークの力があれば問題なさそう。彼女も僕の敵ではないね。
「なっ、何て奴だ！！」
「奴は強えぞ。だからこそ、シモンの実質的なリーダーなんだ。最もAの興味範囲外らしいがな」
ちらりと僕を見るリボーン。そうだねぇと相槌を打った。
「僕、今はリボーンに興味あるかな」
「フッ、モテる男は辛ーな」
思ってなさそ〜。ケラケラと笑っていると、ヒバリさんが僕を睨む。首を傾げると、ふいっと顔を逸らされた。
それから滝の方へと歩いていって、沢田綱吉に目を向ける。
「小動物。今の君の顔、つまらないな。見てて、僕の戦い」
どうせヒバリさんが勝つから、どうしようかな。見てるだけって退屈なんだよね。崖に腰掛けて、下を見下ろす。膝を立てて腕に顔を埋めて、どうしようかと考えても良い案は思い浮かばなかった。
この戦いも僕が見届ける必要はないし、ここにいる意味もないし。やることがあるのなら別だけど、そんなこともない。
退屈は人を殺すんだよ。
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作者名：怜
| 作成日時：2023年2月20日 23時
