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泣き叫ぶ声が“ボンゴレを壊す”と言葉を放つ。しばらくして球針態から光が溢れ出した。
「なんだ！？何が起きている！？」
「恭さん、これは！？」
「球針態が……壊れる」
刹那轟音を立てながら爆発が起きる。その煙の向こうから2つの眩い光が見えた。ヒバリさんの球針態を壊すほどの炎。その純度の高さは試練で得たものかな。いいな、僕もあれなら楽しめそう。
リボーンが話している傍ら、笑みが隠しきれなくて口元を手で覆い隠す。そんな僕の肩に手を置いたヒバリさんは首を振った。
分かってるよ。分かってるけど、あんなの遊びたくなるじゃん。
「ここから先は好きにしていいんだろ？赤ん坊」
「ああ……そういう約束だからな……」
「じゃあ、始めようか」
膨れ上がった殺気にゾクゾクと背筋が震える。そうだ、ヒバリさんでもいいな。というか、ヒバリさんがいいかも。
「A、君は待つこともできないの」
「分かってますよぉ」
こちらを見やるヒバリさんに両手を上げる。いつの間にか漏れ出していた殺気を収めて、数歩下がった。
視線が逸れる前に見えた色素の薄い瞳には、間違いなく闘争心が光っていて、若干期待してしまう。あれが終わったら遊んでくれるのかもって思うんだ。
「この闘いにルールはない。君が選べるのは僕に勝つか……死ぬかだけだ」
「勝つさ」
「来なよ」
ああ、でも、やっぱりいいな。強者との戦いはいつだって楽しい。一番生を実感できる瞬間であり、僕が人間じゃないことを明確に示してくれる時間だ。
傷を負うたびにエンティティさまの加護を感じられる。まだ信者でいていいのだと感じさせてくれる。僕が揺るがないことを、僕が僕である意味を教えてくれる。
上機嫌で鼻歌を歌いながら、沢田綱吉を眺めた。その戦い方がどこかぎこちなくても、どうでもよかった。だって、新たに手に入れた武器が馴染まないなんてよくある話だもん。使いこなせなきゃガラクタに成り下がるだけ。最も僕ならガラクタになんかさせないけどね。
いや、そもそも無理か。だって、僕は炎を出せないから。あれ、使えないや。僕が炎を出せたらの話だったね。まあ、そんな日は永久に来ないんだけど。
「ねぇ、君。僕が言ったこと覚えてる？」
「……勝つしかないんだろ？」
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作者名：怜
| 作成日時：2022年10月24日 23時
