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チェルベッロの元まで跳躍し、胸倉を掴み上げる。僕らしくない冷静じゃない行動。驚いたような声を無視して、ぎりぎりと締め上げた。


「言えッ!!お前らが知り得ることのないあの方を!どこで!!」

「お、落ち着いて、くださ……A、様……」

「うるさい!!」


いっそこのまま落としてやろうとさらに力を込めれば、銃声が響く。飛んできた銃弾を躱すために、チェルベッロを投げ捨てて後ろに飛び退いた。


「落ち着け、A。ツナたちが怖がっちまってるぞ」

「……だから、なんだと言うの」

「そこまで取り乱すなんてらしくねーぞ。殺気がダダ漏れじゃねーか」


ぐしゃぐしゃと前髪を掻き撫でて息を吐く。深呼吸をして落ち着きを取り戻すと、チェルベッロに視線を向けた。肩を揺らして顔を見合わせたあと、彼女らはようやく話し出す。


「我々の元に2通の手紙が届きました。1通は我々宛てのもの、もう1通はA様、あなたに宛てたものです。こちらを」


取り出された手紙を受け取り、中身に目を落とした。この世界に来たときと同じ、象形文字のようなそれ。ぐにゃりと歪んで馬鹿ねと僕を笑う文章が浮かんだ。



 私のいとしい子。取り乱すなんてらしくない。
 命令よ。偽者を殺しなさい。
 場はこちらで整えた。



命令。エンティティさまからの命令。嬉しさが込み上げて視界が潤む。手紙に額を押し付けて、深く息を吸った。
それと同時に吐き気も込み上げてくる。偽者ね。気持ちが悪いな。誰がエンティティさまの信者を偽った?誰の許可を得て、それを名乗ってる?

再び漏れ出しそうになる殺気を押し留めながら、チェルベッロに続きを促した。


「我々に宛てた手紙には“使徒の戦い”を開催せよと、A様に手紙を渡すようにと書かれていました。これを言えば、互いに己のことだと分かるだろうとも」

「沢田氏側からはA様が参加されますが、ヴァリアー側はいかがでしょう」

「私のことだわ!」


バッと前に出てくる、小麦色の長い髪を高い位置で2つに結えた女性。頰にはオブセッションマークらしきものがあった。既に勝利を確信しているような表情にさらに吐き気が込み上げる。
あれが僕と同じ信者だって?愚者のくせに、僕と同類を名乗っているのか。愚かにも、それを騙ることがどれほど重罪になるかも知らずに。

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(プロフ) - リィさん» ありがとうございます!!面白いと言っていただけるとやる気が出ます!まだストックは尽きていないので、今後も早めに更新できると思います。お楽しみに〜! (2022年10月7日 0時) (レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - あ"ぁ"っ…!楽しみすぎてつらい…!!なんでこんな面白い話を作れるのか疑問です…更新頑張ってください!! (2022年10月5日 13時) (レス) @page32 id: 1730b53d16 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年10月1日 3時

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