52-1 ページ23
ぐろいかもしれませんので、ご注意くださいませ。
side：NO
＊＊＊
赤い双眸がエースを睨む。その中には理性というものはなく、ただただ本能だけがあった。
仕方ないことだ。だって、彼は、Aは“エンティティ”という邪神に支配されていたのだから。“友人”という存在は愛しい“神”の邪魔をする面倒な存在でしかなく、今の彼にとって虫けらにしか見えていない。
睨まれたエースが静止するのを見て、Aはまた一歩踏み出す。その小さな手からゆらり、と黒い霧が立ち上ると、引き摺るほどの大きな鉈を持っていた。
「あははぁ♡僕、ちょうどお腹空いてたんだぁ〜」
「Aくん！待って、待って！」
「はぁﾞ？うっさいんだけど」
オーバーブロットの化身を喰らうたび、Aは本能を剥き出しにする。それは負の感情を取り込んでいるせいなのか、もしくはエンティティと同調を始めているせいなのか。誰にも分からないことだった。
慌ててフロイドが魔法薬を引っつかむ。一瞬にしてAに肉薄するも、黒い霧から黒い触手が伸びて瓶を割ってしまった。逃げるように霧が霧散する。
「それ、僕きらい。ねえ、エンティティさま」
「っんなこと言ったって！トビウオちゃん正気じゃねーじゃん！」
「正気じゃない？何言ってるんです、せんぱぁい」
僕は正気ですよ、と狂気に塗れた笑顔で呟いた。ないはずの背ビレがぞわぞわと震える。焦燥感に駆られながらも、フロイドは頭を回し続けた。
なにか、なにか！アイツが正気を取り戻す方法を！
そんな思いも虚しく、Aはアズールのもとへ辿り着いてしまう。そうなれば、もうあとは簡単だ。
食べてしまうだけ。
肉を剥ぎ、骨を砕き、黒い濁流を飲み干すだけだ。
「手を出すな」
「何言ってんのトド野郎！頭バカになったわけ！？」
「なってねえよ。ただ、」
「見たいだろう？アイツが敬うカミサマってヤツをよ」
「あれだけ骨抜きにされてんだ。さぞかしご立派な方法があるんだろうさ」
「碌でもない方法だったら、俺が砂に変えてやる」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 641人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
怜(プロフ) - もち。さん» ありがとうございます！自分の手の中にあるとなお愛おしくなっちゃうんでしょうね……更新頑張りますねー！ (2020年12月29日 1時) (
レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
もち。(プロフ) - フロイドに抱きこまれて一緒に寝ちゃうの可愛いかよ…っ！と思わず顔面を覆いました笑お気に入りだからエンティティ様の加護じゃなくて自分の手で護りたいのかい？フロくん…獲物は逃さないでね…更新楽しみにしてます！しかしながら無理はなさらず！応援してます！ (2020年12月26日 22時) (レス) id: 2eef4b8e10 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - yozakura5011さん» ありがとうございま〜〜〜す！！ (2020年12月24日 14時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
yozakura5011(プロフ) - とても・・・とても好きです・・・（鼻血） (2020年12月21日 0時) (レス) id: 87d7c098c3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：怜
| 作成日時：2020年12月12日 1時
