*** ページ41
部屋に戻ると、フロイドがいろんなところにキスをしてくる。戯れのようなそれに、くすぐったいと胸を押せば、その手も絡めとられた。
「フロイド。独り占めは禁止だと言ったでしょう」
「知らねー。今はこうしたい気分♡」
「全く。次は僕ですよ」
いわゆる恋人繋ぎをしたまま、フロイドは俺の首に顔を埋める。かかる息がこそばゆくて肩を竦めた。
ついには全身動かせなくなったな。せめて片手が動けば……。
机の上に置かれているクッキーを睨んでいると、クスクスと笑う声が聞こえる。笑わなくてもいいのに。
「食べたいのなら、遠慮せず仰ってください。僕が手伝いますから」
「いや、でも……」
「はい、口を開けて」
言われたとおり口を開けば、クッキーを放り込まれる。もぐもぐと咀嚼していれば、シャッター音が鳴った。横目で見ると、ジェイドが満足そうにスマホを見ている。
写真なんか撮ってどうするんだ。そう言えば、ジェイドはスマホを収めた。
「両親に送ります。僕たちの番だと」
「あ、それいーね」
「僕も送っておきましょう」
「つ、がいってそんな」
恥ずかしくてつい否定的な言葉を言いそうになる。それを妨げるように口を抓まれた。
「Aはオレらの番。わかった?」
「んむ、んんぅ」
「これはわかってもらえるまで言い続けるしかありませんね」
「ちょうどいい機会です。ご自身の口から自信を持って言えるようになりましょうね」
まずいと思ったときにはもう遅い。既にスイッチが入ってしまった3人を止める術なんて、俺は知らない。潔く受け入れるしか……。
口を抓んでいた指が離れて、頬を滑る。ニッコリと笑っている3人を前に覚悟を決めた。
2279人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みやぺ - 読ませていただきました!お礼が遅くなり申し訳ありません!本当好きです文章力が、、有難うございます、、最後めちゃくちゃ覚えててほしかったんですけど、前衛でいることも忘れてほしいところもマクミラン君で、、!語彙力なくてすみません、本当有難うございました! (2020年10月1日 0時) (レス) id: 4b5b8920da (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 隻狼姫さん» ありがとうございます!! (2020年9月13日 16時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
隻狼姫(プロフ) - オクタたちとトリップものすごく好きです…(このシリーズが出たら絶対に読む←) (2020年9月12日 23時) (レス) id: efc986c11a (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 三宏さん» ありがとうございます!リクエスト承りました。しばらくお待ちください!R18は書いていた時期もありますが、今のところ書く予定はありません。 (2020年9月12日 2時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
三宏(プロフ) - いつも楽しませてもらってます!マクミランくんが自傷癖な事を隠してて、それを知った3人が最も過保護になって甘々になる話が見たいです!後質問なんですが、R18とかって書かれたりしないのですか? (2020年9月11日 22時) (レス) id: b9698f5579 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:怜 | 作成日時:2020年8月5日 0時