魔力よりタバコをくれ 三本目【ツイステ】

今夜とシフト ページ30

side：A

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鼻歌でも歌いそうな機嫌で戻ってきた二人は席に着くなり、疲れた、と言った。あんなにご機嫌だったのに。向かいに座ったフロイドは俺を見つめ続けて、左隣に座ったジェイドは俺の手を握ったまま動かない。
アズールに助けを求めても、首を振られた。いつもなら助けてくれるのに。助けてくれないってことは、二人が予想以上に疲れてるってことかな。

まあ、ご飯も食べ終わってるし、なんでもいいけどさ。


「シャチちゃん、オレ頑張ったよ？」

「はいはい、よく頑張りました」

「僕にも」

「ジェイドもお疲れ様」


ふう、と息をついたジェイドはアズールに目を向ける。悪い笑みを浮かべて、楽しそうだ。悪巧みしてる。俺も楽しくなった。


「今夜9時にモストロ・ラウンジにお越しくださるようです」

「それはそれは。楽しみです」


ニヤニヤあくどい笑顔で、楽しそう。俺もまぜてほしくて、ジェイドに握られている手に力を込める。視線を俺に向けたジェイドは仕方ないですね、と言って教えてくれた。

今夜9時に監督生が来る。契約をしに。イソギンチャクを自由にしたいって。


今日、俺もラウンジのシフト入ってるんだけど。そう言えば、三人とも固まった。


「まあ、俺は出ても良いよ。どうせVIPルーム通すでしょ？」

「そうですけど」

「何かあったら、オレかジェイドにすぐ言うんだよ？飛んでくから」


過保護だなって笑う。
俺ってそんなに弱そう？魔法が使えない監督生には負けないんだけどな。

それでも心配そうに見てくるから、笑って約束をした。


あの人間と話さないでください。あの人間に近づかないで。あの人間に会わないでください。


三者三様の言い方に笑う。話すな、近づくな、会うなって。
そんなに嫌なのかって聞けば、大きく頷かれた。

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