destiny2 (ページ21)

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hk side

山田くんの話は俺の想像を遥かに超えるものだった。

普段の俺はそう簡単には動揺しないけど、今日ばかりは少し驚いた。

こんなファンタジックな事が現実にあるなんて…。

でも山田くんの運命は全然可愛いものではなかった。

きっと1人でたくさん悩んで、苦しんで、もがいて来たんだろう。

そう思うと胸がきゅうっと締め付けられた。

光「…辛かったんだな………。有岡くんはなんて言ってたの？」

山「え…なんで……大ちゃんの名前……。」

俺が有岡くんの名前を出すと目を丸くする山田くん。

それは無理もない。

きっと有岡くんがここに来たことを知らないんだろう。

光「山田くんが居なくなった時にね、有岡くんが高木と2人で来たんだ。」

山「そ……だったんですか……。」

光「山田くんのことかなり心配してたんだよ？あいつは寂しがり屋だから1人で泣いてたらどうしようって。俺が怒って山田の言うことちゃんと聞いてあげなかったから俺のせいだって。」

山「だい……ちゃんっ………。」

俺が有岡くんが店に来た時のことを話すと山田くんの目から涙がこぼれ落ちた。

こんなにお互い愛し合っているのに運命のせいで引き裂かれてしまうなんて……。

なんて世界は残酷なんだろうか。