why (ページ20) - 小説/夢小説

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火影室の前に着き、テンゾウがノックをした。
「入れ。」
「失礼します。」
「おぉ。きたかAよ。」
「はい、火影様。」

2日も寝ていたからだろうか。久しぶりな気もしないでもない。と感じながら火影様に近づく。

「今日はワシも時間をとった。少しだけじゃがなぁ。Aよ、すまぬがこの老いぼれと散歩してもらうぞ。」
「え、あ、はい。」

私のために、、、？散歩？よく分からないが自分に拒否権などないだろうと困りながら笑った。そばにいたテンゾウは何を考えているだと言いたげな顔をしながら聞いていた。

...

それから木の葉の街を火影様と歩いた。
「火影様こんにちはー！」

町の人からの挨拶が飛び交う。本当に慕われているのがわかる。それに答えるように火影様も挨拶をしていく。

そして火影岩がちょうど見えるベンチに少し休む事にした。人通りは少ない。
「火影様ってお名前ですか？」
「いや、名は猿飛ヒルゼンじゃ。言っておらんだなすまぬ。そうじゃのー名前で呼んでくれてかまわんよ。」
「あ、えっと、ありがとうございますヒルゼンさん。、、、ここの人達はみんな笑顔で優しいですね。」
「そう見えるのであれば散歩は成功じゃの。、、、今日は、Aの事について聞きたいのじゃが、構わんか？」
「、、、そうですね。はい。」
「疑っているわけではないのじゃ。奈良家の鹿達が懐いたと聞いた。しかもあの鹿の長も。」
「、、、。」

楼にもう会えないのだと思うとAは心が沈む。しかも周りは気にするなと言われたが、やはり自分の何かしらの力のせいで亡くなったのではないか、と思わずにはいられなかった。

「お主の過去が今のAを作ったのだろうのぉ。どんな事があるにしろ、今のお前さんに助けられたものがおる。それがあの楼じゃ。大丈夫。お前さんのせいではない。」
「、、、ありがとうございます。」

自分が沈んでいるのを見かねて気を遣わせてしまった。ただでさえ、火影様はこの街全体を見ているというのに。自分という問題にまで優しくしてくれる。Aは私のことも話さないと失礼だと感じた。

「わ、私の、過去を話すのは久しぶりなので。」
「ん。ゆっくりでもよいぞ。」
「、、、はい。」
やはりどこか迷いがあるようにしていたAも、ゆっくりと話を始めた。