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廊下を渡り、芝生を横切って歩いているといつの間にか湖まで来ていた。
湖にはダームストラングの船が繋がれて、水面に黒い影を落としている。
ふいに船を観察するようにフレッドが立ち止まったので、Aも大きな船体を見上げた。
黒々としたそれは早朝だというのに、まるで幽霊船のような雰囲気を出している。
｢ちょっと不気味よね、この船｣
｢だな｣
返ってきたフレッドの声にさっきまでの不機嫌さが無くなっていることに安心しながら、Aは砂利を踏む足音が近づいてきたことに気づいて視線を船から戻すとその姿に微笑んだ。
｢ハリー！おはよう、朝食は食べた？｣
｢ハーマイオニーが持ってきてくれたよ｣
｢あぁ！そういうことだったのね｣
ハーマイオニーがそそくさとトーストを包んで大広間から出ていった理由がはそれだったのかと、Aはひとり納得して頷く。
｢あー･･･、A？変なこと聞いてもいい？｣
｢なに？｣
｢君もハーマイオニーと同じかな？つまり、その、僕が自分でゴブレットに名前を入れたんじゃない、って言ったら信じてくれる？｣
｢もちろんだわ！｣
ハリーに聞かれてAが即答すると、安心したような笑みが返ってきたことに大広間でのロンの態度を思い出した。
ロンはハリーが自分でゴブレットに名前を入れたと思っているんだろう。
そのことできっとケンカをしたのだ。
｢ハリーはそんな卑怯な手を使うズルい人間じゃない！｣
ハーマイオニーがフレッドに視線を向けて微笑んだのが視界に入りハッとしたが、Aはあえて気づかないふりをする。
言ったあとで、フレッドがズルをしてゴブレットに名前を入れたことを思い出した。
ハリーもそれに気づいたのか、フレッドを見て笑いを我慢するような口元になった。
｢僕、手紙を出さなきゃいけないんだ。またね、A。ありがとう｣
｢じゃあねA、頑張って｣
慰めるように2人から肩を叩かれたAは、おそるおそるフレッドと目を合わせてからぎこちなく微笑んでみせた。
フレッドの口元は笑っているが、その目は笑っていない。
｢わ、私フレッドが卑怯だと言ったんじゃないのよ？｣
｢俺は何も言ってないけど？よし決めた、昼飯の後に談話室な｣
楽しみにしとけと言われても不安しかない。
湖の周りを歩きながらフレッドが新しい商品の話をしてくれたが、ほとんど耳には入ってこなかった。
20220418
Mina Okabe
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トオ(プロフ) - 更新有難うございます…！次も楽しみです❕ (2022年9月28日 10時) (
レス) @page50 id: 140729f59d (このIDを非表示/違反報告)
しらたまコ(プロフ) - みらんさん» 更新してからお返事しようと決めていましたが、大分遅くなってしまいました。ダンスパーティーまでまだありますが引き続き頑張りたいと思います。コメントありがとうございます!! (2022年9月18日 22時) (レス) id: c3dd0cadc5 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまコ(プロフ) - とうふさん» お返事がとても遅くなってしまいすみません。更新はするつもりでいます！どうかもう少しお待ち頂ければと思います…！応援のお言葉ありがとうございます!! (2022年8月21日 0時) (レス) id: c3dd0cadc5 (このIDを非表示/違反報告)
みらん - ダンスパーティーのところ楽しみにしてたので残念です。更新待ってます💪💪 (2022年8月13日 0時) (レス) @page41 id: e061b386f2 (このIDを非表示/違反報告)
とうふ(プロフ) - もう更新はないのでしょうか？？ 更新楽しみにしています…！！ (2022年7月21日 0時) (レス) @page41 id: 2c85f96aa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらたまコ | 作成日時：2022年2月12日 0時
