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夏の匂いがする。
窓から風と一緒に木々の爽やかな香りが入ってくる。
だがそれを楽しむ余裕もなく、Aは教科書にかじりついていた。
自習室はいつもより人も多く、Aと同じテーブルで珍しくフレッドとジョージも教科書を広げて真剣に取り組んでいる。
試験が迫っていた。
図書室に行っていたハーマイオニーと夕食の時間に大広間で試験の予定表を広げると、ロンがおずおずと口を開く。
｢あのさぁ、君達どうやって試験受けるつもりなの？｣
その視線の先には月曜日の9時から始まる数占い、変身術。昼食を挟んで呪文学と古代ルーン語が同じ時間に書いてある。
Aを挟んで食事をとるフレッドとジョージはそのからくりを知っているので、素知らぬ顔をしているがハリーとロンはどうやってAとハーマイオニーが同じ時間の授業をこなしているか知らない。
｢フレッド達はどうやってAが授業受けてるか気にならないの？｣
そう聞いたのはハリーだ。
フレッドは顔を上げてハリーを見るとニヤリと笑った。
｢気にならないかって？Aは優秀だからな、俺達には真似出来ないような才能と熱意があるのさ。体を壊さないかだけが気がかりだよ｣
大袈裟に芝居がかった口調でAの髪を掬いながら言ったフレッドにAは吹き出す。
ハリーとロンは口をあんぐりと開けて、フレッドに聞いたことが間違いだと思った。
そして試験最終日、Aも間違いだと思いたい現実を突きつけられる。
｢38.2℃です｣
｢分かりました、試験に戻ります｣
｢許すわけがないでしょう！｣
｢ダメよ！｣
病室にマダム・ポンフリーとハーマイオニーの怒声が響いた。
試験の初日から、Aは何となく体がだるかったが熱を測るのが怖くて薬だけを飲んでやり過ごしていたのが昼食時に目眩に耐えきれずに倒れたことでバレてしまった。
｢何で黙ってたの！｣
マダム・ポンフリーが医務室に戻ってもハーマイオニーの説教は止まらない。
顔色が悪いと指摘した時に、勉強のしすぎで寝不足だと言ったAの言葉を信じてしまったことをハーマイオニーは悔やみ、Aを運んで来たフレッドを見た。
｢あなたも同罪よ、フレッド・ウィーズリー！知ってたんでしょう？｣
｢もちろん、Aがどれだけ勉強を頑張っていたのかをね。だから毎晩医務室に忍び込んで薬も失敬してた｣
｢･･･呆れるわ。それで無理させて倒れたんだから意味無いでしょう！｣
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しらたまコ(プロフ) - さらさん» 面白いと褒めてもらえて嬉しいです!!数ある中から出会えてもらえて感謝です！応援のお言葉を糧に更新頑張ります!! (2022年1月24日 16時) (
レス) id: c3dd0cadc5 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまコ(プロフ) - 時計さん» 伝わります、ありがとうございます！死の秘宝まで続ける予定ですよ！フレジョ推しのはじめてだなんて嬉しすぎます、、。ヤバいです、本当にありがとうございます！ (2022年1月24日 16時) (レス) id: c3dd0cadc5 (このIDを非表示/違反報告)
さら - おもしろすぎます！久しぶりにこんなに楽しい小説を見つけました。応援しています！そして楽しみにしています！！！ (2022年1月18日 20時) (レス) @page19 id: 339793d87a (このIDを非表示/違反報告)
時計 - ヤバイっす、、エグいっす、、、（語彙力）この小説って死の秘宝まで書くんですよね？めちゃ大変ですね、、。作者様のペースで頑張ってください、、！追伸この小説見始めてフレジョ推しになってしまいました。 (2022年1月14日 22時) (レス) @page17 id: 61f9818175 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまコ(プロフ) - ホワイトチョコレートさん» コメントありがとうございます！だいたい週1ペースで更新してますので、これからもよろしくお願いいたします^^* (2022年1月10日 23時) (レス) id: c3dd0cadc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらたまコ | 作成日時：2021年12月11日 23時
