�� ページ11
.
｢僕には出来なかった｣
｢･･･何を？｣
｢ウィーズリーといる時みたいに、楽しそうに君を笑わせてあげれなかった｣
そんなことないと言おうとしたが、Aはアンジェリーナに言われた言葉を思い出して口をつぐんだ。
ここで取り繕っても誰も救われない。
素直な気持ちを言おうとAは深呼吸の後に口を開いた。
｢私はセドリックが優しくしてくれてとても嬉しかった。心から感謝してる、あなたはいい友達だわ｣
｢A･･･｣
｢フレッドの代わりにしようとしてごめんなさい｣
セドリックをしっかりと見つめてAは心から謝罪した。
セドリックもAを見つめたまま深く息を吸い込むと、その内に頷く。
｢僕はよかったよ、どんな理由でもAと仲良くなれたからね｣
お互いが安心したように微笑んでから、どうしても確認したいことがあったAは遠慮がちに聞いた。
｢･･･最後にいいかしら？｣
｢どうぞ｣
｢どうして誰かに聞かれた時に、私と付き合ってるって言わなかったの？｣
好意を寄せてくれていながら、なぜセドリックは周りに曖昧な態度しか見せていなかったのかAはずっと気になっていたのだ。
Aが誰かに聞かれてもだんまりをしていたように、セドリックも同じような態度をしていたのをAは知っている。
｢ウソを言って君を困らせたくなかった｣
｢じゃあなぜ？｣
｢付き合ってないと否定しなかったのは、そうなればいいなって思ってたからだよ｣
セドリックの微笑みに、Aはすまなそうに眉を下げることしか出来なかった。
とことんセドリックの優しさに庇われていたのだと気づかされる。
｢さぁ、早く行った方がいいよ。約束があるんだろう？｣
セドリックの視線が窓の外を見てから、Aに戻る。
Aはお金をテーブルの上に置くと、1度だけ振り返って店を出た。
夕方まではまだ少し時間があるが、足は自然と早くなる。
ゾンコの店の前でハーマイオニーとロンの姿を見つけて、Aは少しスピードを落とした。
不自然に1人分のスペースを開けて距離をとっていたが、特にケンカもしてなさそうな雰囲気に安心してAはホグワーツへの道を戻り始める。
すれ違った何人かが、風になびいたAの髪を振り返った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 553人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しらたまコ(プロフ) - さらさん» 面白いと褒めてもらえて嬉しいです!!数ある中から出会えてもらえて感謝です！応援のお言葉を糧に更新頑張ります!! (2022年1月24日 16時) (
レス) id: c3dd0cadc5 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまコ(プロフ) - 時計さん» 伝わります、ありがとうございます！死の秘宝まで続ける予定ですよ！フレジョ推しのはじめてだなんて嬉しすぎます、、。ヤバいです、本当にありがとうございます！ (2022年1月24日 16時) (レス) id: c3dd0cadc5 (このIDを非表示/違反報告)
さら - おもしろすぎます！久しぶりにこんなに楽しい小説を見つけました。応援しています！そして楽しみにしています！！！ (2022年1月18日 20時) (レス) @page19 id: 339793d87a (このIDを非表示/違反報告)
時計 - ヤバイっす、、エグいっす、、、（語彙力）この小説って死の秘宝まで書くんですよね？めちゃ大変ですね、、。作者様のペースで頑張ってください、、！追伸この小説見始めてフレジョ推しになってしまいました。 (2022年1月14日 22時) (レス) @page17 id: 61f9818175 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまコ(プロフ) - ホワイトチョコレートさん» コメントありがとうございます！だいたい週1ペースで更新してますので、これからもよろしくお願いいたします^^* (2022年1月10日 23時) (レス) id: c3dd0cadc5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しらたまコ | 作成日時：2021年12月11日 23時
