プレゼント / 4 ページ4
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Now … (今)
『よっ、バシくん』
石「ちょっと遅いよ笑」
『ごめんごめん』
石「何か見たい店ある?」
『プレゼント買いたくて』
石「おけ」
Aが特別だなんてよく分からない事を言ってた都築をよそに、エスカレーターに乗る。
最近四千頭身の知名度が急上昇中で、視聴者さんに見られたら彼女だと思われるかもだけど。
石「プレゼント、誰にあげるやつ?」
『普通に友達〜』
"普通に友達"と言いながらAが入った店は、明らかにメンズの店で。
嬉しそうに入店する彼女を、警戒する俺。
石「男友達、いるんだ」
『いるに決まってんじゃん!バシくんもそうだし』
石「そんな話聞いたことなかったからさ」
『いちいち言わないよ笑』
石「まぁそりゃそうか。…A、この店高いんじゃない?」
『うん』
石「こんな高いもん買うとか…その友達と相当、仲良いんだね」
『うん、まぁまぁ仲良いよ。あ、これこれ!』
そう言って手に取ったのは、小洒落たキャップ。
試しに被ってみるA。メンズなので当然似合ってない。
『これ貰ったら嬉しいかな?』
石「いいんじゃない?高いし」
『えっ、値段!?』
石「嘘だよ笑 嬉しいと思う。俺ならね」
『んじゃあこれに決めた!』
レジに向かうAの後ろ姿を、少し遠目に見る。
あのキャップが似合うような友達、誰だよ。
あ、都築はちょっと似合いそう。
もしかして都築?いや、そこまでは仲良くないはず。
そんなことに悶々としていると、ご機嫌なAが歩いてきた。
『買えた〜!』
石「高かったでしょ笑」
『高かったけど、この前給料日だったから大丈夫笑』
石「ところでいつ渡すの?」
『うーんどうしよ…次遊ぶ時にしようと思ってたけど。…今かな?』
石「へ?」
今さっき購入したキャップが入った紙袋を、俺につきつけてくる。
え、何。期待してもいい感じかな。
石「……俺に?」
『うん!』
石「すっごい満面の笑みだけど、なんで俺?」
『元々バシくんにあげるやつなの笑』
石「あっれー?…俺、今日誕生日だっけ笑」
『日頃の感謝よ』
石「いや、うん…ありがとう」
『ネットで見つけてさ、めっちゃバシくんに似合うなって思ってたの!』
未だに信じられなくて、袋を持つ手が小刻みに震える。
俺は元々女性が怖い。
でも、"喜ぶ顔が見たくなったの"と微笑む彼女には、怖さなんて欠片もなかった。
信頼できる友達という面では、確かに特別なのかもしれない。
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せきはん(プロフ) - リモルさん» ありがとうございます。亀ですが頑張ります! (2020年4月1日 18時) (レス) id: 04a8f1658b (このIDを非表示/違反報告)
リモル - がんばってください! (2020年4月1日 1時) (レス) id: 55a6ac47ee (このIDを非表示/違反報告)
せきはん(プロフ) - 歩菜さん» わぁあありがとうございます!それでは"俺"に統一させていただきます。更新頑張ります! (2020年3月30日 15時) (レス) id: 04a8f1658b (このIDを非表示/違反報告)
歩菜(プロフ) - バシくんは僕とも俺とも言いますが、どちらかと言えば俺の方が多い気がします。つづさんやごたくんも一人称は俺です。面白い小説を書いて下さりありがとうございます。更新頑張ってください! (2020年3月30日 13時) (レス) id: c168c8bc51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せきはん | 作成日時:2020年3月27日 22時