【文スト】何故かポートマフィアで働く私(黒の時代) (ページ5)

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第四話ページ5

「厭どす」

わざと「どす」と言って居ます。満面の笑みで。←
巫山戯ました。すみません。
ポートマフィア。又々凄い所から勧誘されてるなぁ。此処、横浜の暗部其の物とも、言われる位。
早目に逃げとけば、良かった。

「即答かぁ。少し考えてくれても、いいじゃ無いか」

森さんは苦笑した。
隣のエリスちゃんはと云うと、パフェをいつの間にか平らげ、満足そうに笑って居た。
何この子可愛い。

「Aちゃん、素質あると思うよ。其れに君の能力を活かせる」

「厭ですよ。話は其れだけですか？では、帰ります」

席を立つと、隣のエリスちゃんが服を掴んだ。可愛いぃ。
幼女としては、物凄い力だ。離れられ無い。

止むを得ず、掴んで居た部分だけ異能で消してしまう。

直ぐ立ち上がり店を飛び出す。出来るだけ、遠くへ逃げよう。
其の刹那。

「莫迦か手前。ポートマフィアから逃げられると思ったか？」

店から出た瞬間、腹部に蹴りが飛んで来た。躊躇無く、壁に叩き付けられる。意識が飛びそうになったが、此処で逃げ出さないと確実に不味いという覚悟を持ち、残った力を振り絞った。

「ッ痛！！」

動けない。
まるで重い何かが、覆い被さった様な感覚。傷だらけの身体が悲鳴を上げる。

「…ああ、糞っ。何でこんな事をしなきゃなんねんだ」

先程蹴りを入れて来た人物__真っ黒い帽子を付けた人__は、一人愚痴を呟いた。

「い、異能力者」

足に自信は無いが、逃げ切る事は出来る筈。

気が進まないが私は異能を使い、自由になった身体で地面を蹴った。
蹴りを入れた奴は、怒号に似た驚きの声を上げたが見ている暇は無い。

「何処に行くのかな？可憐なお嬢さん」

…嗚呼なんて事だ。
角に隠れ私を待ち構えている人が、なんともう一人居た。

腕を掴まれた。
黒い外套を羽織り、包帯を巻いてる癖のある髪をした青年。

「駄目だ…な。もう少し考えとけば良かったなぁ」

思わず笑ってしまう。完璧に詰んでしまった。
青年は顔をゆがませると私の腕を引き、倒れこむと同時に私の襟首に手刀を打った。体力を消耗して居た所為か、私はあっさりと意識を手放した。

「如何して笑って居られるんだい？」

最後に青年が呟いた言葉が、異様に響いた気がした。