【文スト】何故かポートマフィアで働く私(黒の時代) (ページ11)

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第十話ページ11

初仕事から一週間過ぎた。
その間ずっと太宰さんの、溜に溜めた書類を片付ける作業をして居た。

「そろそろ終わります。此れからは、溜めない様にお願いします」

「よくあの量をやったね。まぁ其の位やって貰わないと、困るけど」

太宰さんは使わない紙で、紙飛行機を作って遊んで居た。あっ、重要書類って書いて有る。←
私は一刻も早く終わらせたく無視して黙々と手を動かした。
やっと色々終わりペンを置いて、机に伏せた。

「お疲れ様」

『あぁはい。お疲れ様です」

私は重たい体を起こした。
動きたく無いが、仕事部屋にずっと居たく無い。お疲れ様です、と一言云い部屋を出た。

「うぅ…」

こんなに机に向かうのは久し振りで、疲労が溜まり頭痛と目眩がする。
確か、夜遅くまでやってたっけ。

視界が歪み、体の重心が傾く。しまった、と思っても遅かった。

「おいッ大丈夫か」

バランスを失った私に、激痛は来なかった。
ボスリと云う音と共に聞き覚えのある声がする。

「此処最近見ないと思えば、資料にカンづめかァ？」

「ちょっと疲れてて…済みません、中原さん」

そうか、と云い中原さんは私の体制を整えた後、視線を落とした。

「傷、如何だ」

「異能で消しちゃいましたよ」

私は傷が有った脇腹をそっとさすった。
眉を寄せジッと私を見つめて居た中原さんの目には、心配の色が有った。

「その…悪かった。思いっきり蹴って」

云いづらそうに口籠って居て、私は思わず笑みが零れてしまった。
中原さんはキョトンとし、不機嫌そうに顔を曇らせた。

「いやぁ、優しいなぁと思いまして」

「あのなぁ」

中原さんが何かを云い掛ける。

「では、さよなら」

話が長引く予感がし、早々に切り上げて帰る。
其の時、何と無くマフィアが居心地がいい様な気がした。