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悲鳴を上げる私を剣城が睨む。
「京介、友達か？ 」
「いいや」
「えぇッ！？ 」
面と向かって友達ではないと言われると流石に傷つく。
「でも雷門のユニフォームを着ているじゃないか」
「……チッ。どうしてここにいる。他の連中は帰ったぞ」
「そのー、迷って」
他の連中は帰ったって、まさか病院内で尾行されていたと気づいたのか。て事はもしかして病院のどこかに今まで隠れてたのかな。
不穏な空気を緩和させようと、車椅子のお兄さんが私に問いかける。
「このボールもしかして君の？ 」
「そ、そうなんです」──本当は太陽のだが。
「そうか。持ち主が見つかってよかったよ」
差し出されたボールを慌てて受け取った。
「ありがとうございます！ 」
「どうして君は病院に？ どこか悪いのかい？ 」
「いえ、私達剣城を探してて……」
「京介を？ あぁ、俺は剣城優一。こっちの京介の兄だ」
「反田典子です！ ……え？ お兄ちゃんって、剣城の？ 」
……あ！ だから京介って呼んでるんだ！
よく見れば髪や目の色がそっくりだ、並んでいるのにどうして気づかなかったのだろう。お兄さんと剣城が一緒にいる謎も解ける。
「ああ。弟がお世話になってます」
「い、いえ！ 寧ろ私がお世話になってます！ 」
「そうかい？ コイツ、学校の事全然話さないから心配でさ。これからも仲良くしてやってくれないか典子ちゃん」
「それはもう……是非……」
私が喋れば喋る程、剣城が見た事もない表情になった。人間そんな所に皺寄るの？ 怖い、怖い過ぎる。
「京介を探しに来たって言ったけど、もしかして今日はサッカー部の練習があったのかな？ 」
「え？ はい、土日は練習ありますけど」
「おい！ 」
「おいじゃないだろ京介。さっきお前今日は部活無いって、……嘘ついたな？ 」
「それは、その」
「もしかして、雑誌を届けてくれた天馬君もお前の事探してたんじゃないか？ なんで黙ってるんだ」
怒られてる、あの剣城が。しどろもどろになっているところなんて初めて見た。つまり彼が病院に来ていたのは、お兄さんと面会する為だったのか。
「兄さん。そろそろ俺帰るよ」
「あぁ、そうしろ。こんな仲間思いのチームメイトがいるんだ。迷惑かけるんじゃない」
「分かったから！ ……部屋まで押していこうか」
「ありがとな。けど大丈夫。典子ちゃん、見ての通り困った奴だけど、京介の事宜しくな」
「ま、任せてくださいー……」
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やに(プロフ) - 杳覇さん» くらちゃんコメントありがとうございます(^^) 頑張りますー！ あと早速誤字やらかしているので、読み直し徹底して行きたいと思います恥 (2021年7月12日 10時) (
レス) id: 73f24c4202 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - よっしゃ新作きたーー！！！ あああ一話目から面白そう……！！ え、え、めっちゃ楽しみです……！！ 更新待ってます！！ あとその、「急な転向」って「急な転校」ではないでしょうか……！ (2021年7月12日 10時) (レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やに | 作成日時：2021年7月12日 10時
