Snow and blood 4 ページ13
side→kousaka
解剖室で解剖着に着替えていると、久部君が口を開く。
久部「旦那さんは死因を疑ってるんですか？」
三澄「いや、死因って言うか警察は自 殺だと判断したの。だけど、鈴木さんが妻は自 殺何てするはずがないって言ってて」
久部「どうして自 殺って判断されてんです？」
東海林「目撃者がいたんだって」
香坂「釣り人が奥さんが飛び降りるのを見たって」
久部「……事故死ならいいですね」
久部君の希望に三澄さんは冷静なまま続ける。
三澄「そう願いたいけど、溺死の判断って難しいんだよね。うっかり落ちたとしても、自ら飛び降りたとしても、溺れ死んだら全部溺死で、法医学的所見は同じだから」
久部「じゃあ、解剖しても自 殺か事故死かわからない場合も？」
香坂「まあ、無いとは言えない」
三澄「電話でちゃんと説明したんだけど、それでもどうしても調べて欲しいって」
中堂「まあ、誰かに突き落とされた他殺でも溺死は溺死で所見は同じだな」
中堂さん言葉が気に入らなかったのか、三澄さんはビニールのエプロンを少し大袈裟に広げた。
香坂「肺の膨らみが小さい…」
三澄「うん」
久部「溺死じゃないって事ですか？」
首を傾げる久部君に三澄さんが答える。
三澄「ううん。死後５日たってるから、その間に水が抜けて肺がしぼんだと考えるのが妥当。周囲に胸腔液も溜まってるし、ですよね？」
チラリと中堂さんを見ると、彼は彼女に目線を合わせないまま言う。
中堂「いちいち確認するな」
三澄「ダブルチェックです。せっかくいるんですから」
中堂「香坂と確認した時点でダブルチェックだろうが…」
三澄「多い方がいいことは確かです」
東海林「胸腔液採取しまーす」
香坂「お願いします」
2人の言い合いを無視して、東海林さんが声を上げる。
鈴木果歩さんの解剖は着々と進められていた。
東海林「電解質濃度調べてくれるー？」
香坂「ドライケムで簡易測定します」
東海林「臨床検査技師2人はいいね〜！」
三澄「しかも解剖のチェックもできる」
中堂「さっさとやれ」
三澄「手は動かしてます」
そこへ、誰か走ってくる足音が響く。
木林「あ〜っ！！」
木林さんと一緒に来た所長は項を垂れる。
神倉「開けちゃったか……」
木林「それ、うちのご遺体です」
みんなの視線が解剖途中のご遺体に集まる。
木林「うちの葬儀場から盗まれたご遺体なんです」
香坂「三澄さん死体損壊罪？」
三澄「えっ？」
Snow and blood 5→←Snow and blood 3
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 138人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
伊織(プロフ) - ミルキさん» 読んでくださりありがとうございます。お気持ちはとても嬉しいのですが、やはりこの作品は、私が試行錯誤を繰り返し、誇りのあるものです。どのくらい参考にされるのかはわかりませんが、作者としてはあまり、気持ちの良いものではありません。本当に申し訳ないです。 (2018年3月31日 14時) (
レス) id: a491ee9abc (このIDを非表示/違反報告)
ミルキ(プロフ) - この作品を参考にして 作品を書いてもよろしいでしょうか？オリジナルも少し書きますが… (2018年3月31日 6時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - ミルキさん» どうぞ！何ですか？ (2018年3月30日 22時) (レス) id: a491ee9abc (このIDを非表示/違反報告)
ミルキ(プロフ) - 伊織さん» 質問してもよろしいでしょうか？ (2018年3月30日 22時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - Kanaさん» 嬉しいです！ありがとうございます、頑張ります(*^^*) (2018年3月20日 23時) (レス) id: a491ee9abc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：伊織 x他1人 | 作成日時：2018年3月5日 22時
