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+99+ 赤司side ページ19

「なんでですかっ!」


Aが泣きながら叫びにも似たような声を上げる。

こんなに取り乱した姿は初めて見た。

でもそんな悠長なことを考えている暇はない。


「A」


「なんですか」


「なんでか?そんなの一つしかないじゃないか。

Aのこと……」



心臓の鼓動がうるさい。



「_______好きだからだ」



人生で初めて告白という物をした。

いままで受ける側だったからこんなんでいいのかわからなかったけれど

僕の気持ちはしかっりと伝わっただろうか。


僕がそう言うとAの瞳は大きく見開かれた。

涙でぬれたその瞳は月の光を受けてキラキラとしていた。

顔も涙でぐしゃぐしゃだ。


「……っ……その言葉、信じていいんですか」


震える声で呟いた人はまだ人を信じるということを知らなかった。

だから僕がAに信じてもらう。

こっちも信じるから。


「君のことが好きじゃなかったらさっきみたいなことは言わないから」


目をまっすぐ見て言う。


「その言葉、信じますよ……?」


震える声で呟くように言われたその一言は先ほどとはちがう声音で。


「ああ、信じてくれ」


そう言ったと同時にAが僕の方に寄り掛かってきた。

緊張の糸が切れてしまったらしい。

疲れていそうだな。とおもった。

でも顔は笑顔だった。泣き笑い、とでもいうような表情だ。


「良かった……」


そして小さくつぶやく。確かにそうかもしれない。もしこれで告白して両想いじゃなかったら。

告白しない方がいいもんな。納得する。


「しばらくここで休もうか。

その泣き顔、誰にも見られたくないしな」


「ど、どういうことですかっ?!」


顔を真っ赤にしてあわてるAに僕は意味深な笑みを顔に浮かべた。


「あと敬語はなし。僕のことも名前で呼べ」


「……わかり、……わかった。じゃあ征十郎。

……だと長いから征、でもいい?」


「ああ、これから『も』宜しくな。A」


「よろしくね、征」


そう言って二人で笑いあった。

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設定タグ:桔梗 , 黒バス , 赤司征十郎   
作品ジャンル:アニメ
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桔梗(プロフ) - くるみさん» 1から読んでいただきありがとうございます!!更新頑張りたいと思います!これからも宜しくお願いします^^ (2014年9月5日 19時) (レス) id: 647d957ad5 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - すごく面白いです!1から読みましたがもう最高です!!更新頑張ってください♪ (2014年9月4日 19時) (レス) id: af20fdd4ae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桔梗 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2014年8月30日 22時

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