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大きく息を吸ってはいて。

深呼吸をしてから唇を動かす。


「……凄い、真面目な話です。

聞いてください」


手にじっとりと嫌な汗をかく。

これは夏だから?それとも緊張のせい?

どちらでもいいけど。


「……?ああ、わかった」


赤司君は何がこれから話されるのかわからないと言った表情を顔に少しだし返答した。

あぁ、言いたくないなぁ。

今更になってそう思えてくる。

今までの偽物のカノジョとしてやってきた生活はいろいろ大変なこともあったけど楽しかった。

今まで親しくない人と近くにいると体調を崩してしまう私は

友達を作ることもせず、一人でただただ生活していた。

そんなときに赤司君が現れたのだ。

最初は拒否権はない、といった感じで少し疎ましく感じていたけれど

そして、体調を崩してしまっていたけれど。

でもある一件をきっかけにして赤司君が近くにいても大丈夫になって。

……好きに、なって『しまって』。

もういやだ。

こんな関係はいやだ。

そう叫びたくてもその声は言葉にならなかった。

それを人にいってはならないから。

場合が場合のため、誰にも相談できることではなかった。

そもそも私には相談できる友達などいない。

楽しかったな。そう思えば思うほど言いたくなくなっていく。

でも、このままの関係でいたくないと自分でそう強く思ったから今言わなければ。


「月が、綺麗ですね。

……月が綺麗すぎて……」


私は空を見上げて言う。

その空には輝く月が出ていた。

『月が綺麗ですね』

赤司君。

頭のいい君ならこの意味をわかってくれるだろう。

なんだか空がぼやけてきたよ。

ああ、泣きそう。

早く言わなきゃ。

肝心なことを。


「だから




______別れて下さい」



私がそう言った瞬間赤司君が目を見開いたのを視界の隅で確認した。

+98+ 赤司side→←+96+



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設定タグ:桔梗 , 黒バス , 赤司征十郎   
作品ジャンル:アニメ
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桔梗(プロフ) - くるみさん» 1から読んでいただきありがとうございます!!更新頑張りたいと思います!これからも宜しくお願いします^^ (2014年9月5日 19時) (レス) id: 647d957ad5 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - すごく面白いです!1から読みましたがもう最高です!!更新頑張ってください♪ (2014年9月4日 19時) (レス) id: af20fdd4ae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桔梗 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2014年8月30日 22時

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