+92+ 赤司side ページ12
「行くな。ここにいろ」
僕は気付くと彼女の腕を掴んでそう言っていた。
Aがいると安心するんだ。
なんでかは分からない。だからそう言ってしまっていた。
甘えてしまっていた。
そして僕が腕を引っ張った反動で僕の横に倒れこむ。
大丈夫かと確認しようとしてAの方を向くとばっちりと眼が合ってしまう。
長いまつげから除く綺麗な茶色がかった黒いでも透き通った眼。
綺麗だ。
そしてそう思ってしまったのと眼があったのが何故か少し恥ずかしくて眼をそらした。
向こうもおんなじなのか同じように眼をそらしていた。
「み、皆の所に行ってきます」
そう言って立ちあがろうとするA。
でも僕はその体を抱き締める。
Aにここいてほしい。
なんでこんなことしてるんだろうなと思いつつもその体をはなしはしない。
Aの体温が伝わる。鼓動の音も聞こえる。
そうしているうちに彼女が少しうごいた。
僕もそれで抱きしめていた腕を少し緩める。
緩めたせいかわからないがAはいままで向こうに向けていた顔をこちらに向ける。
その顔は
______冷たく、無表情であった。
最初、まだ付き合っていない頃のAの顔だった。
その顔を見てなぜ自分はこんなことをしているんだろうか、という気持ちが強くなる。
いままでの彼女に甘えたいという気持ちも、少しだけ早くなった鼓動も全部なくなっていく。
自分だけがAに好意を抱いているんではないのか。
そんな気がしてくる。
でも、
______なんでそんな顔をするんだ?
そう思いながら、僕は熱を確認し部屋を出ていくAの後姿を見ていた。
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桔梗(プロフ) - くるみさん» 1から読んでいただきありがとうございます!!更新頑張りたいと思います!これからも宜しくお願いします^^ (2014年9月5日 19時) (レス) id: 647d957ad5 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - すごく面白いです!1から読みましたがもう最高です!!更新頑張ってください♪ (2014年9月4日 19時) (レス) id: af20fdd4ae (このIDを非表示/違反報告)
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