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体が熱い。
赤司君の体温と恥ずかしさでどんどん体温があがっていく気がする。
ってこんなに密着していたらこの心臓のばくばくしている音が聞こえてしまう。
聞こえてないといいけど。
でも心臓の鼓動はおさまらず、ドキドキしている。
そこで一つの気持ちが浮かぶ。
______もしかしたらあと少しで別れるかもしれないのに。
なにドキドキしちゃってるんだろ。
ばっかみたい。
すうっと心が冷えていく。
それまでおさまらなかった心臓の音がこの気持ち一つで収まる。
不自然なほどに収まっていく。
馬鹿みたいだ。
私は軽く丸くなる。
この気持ちを思い出したことがバカみたいなのか、
ドキドキしてしまったのがバカみたいなのかは分からないけれど馬鹿らしく思えた。
私が少し動いたと同時に赤司君の腕の締め付ける力がゆるくなる。
だから私は顔を赤司君の方に向ける。
いまなら全然ドキドキしない。
怖いぐらいに冷静だ。
そこで一つのことに気付く。
「顔、赤いですよ。熱あるか計らしてもらいますね」
赤司君の顔が赤く上気している。
私は体温計は持ってきていないので赤司君の前髪をあげ自分の手を当てる。
熱い。てのひらに熱が伝わる。
でもこれはきっと桃井さんのではないだろう。
日ごろのストレスか、疲労か。
それが出てきたのだろうか。
「熱があるのでタオルを絞って持ってきますね」
私はそこで立ちあがり部屋を出た。
赤司君がどこか悲しそうな顔をしているのに気付かずに。
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桔梗(プロフ) - くるみさん» 1から読んでいただきありがとうございます!!更新頑張りたいと思います!これからも宜しくお願いします^^ (2014年9月5日 19時) (レス) id: 647d957ad5 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - すごく面白いです!1から読みましたがもう最高です!!更新頑張ってください♪ (2014年9月4日 19時) (レス) id: af20fdd4ae (このIDを非表示/違反報告)
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