大切な君へ 1 ページ46
Aside
「今週の土曜日は空いていますか?」
そう夢野先生から聞かれたのはつい昨日のこと。
たこパをした日以来、私の大学のテストであったり、夢野先生の締め切りであったりなかなか都合が合わなかった、そんな時だった。
「会ってほしい人がいるのです。」
その言葉にひどく緊張したことはまだ記憶に新しい。
A「…ビシッと決めていった方がいいですか?」
幻太郎「いえ、いつも通りの貴女でお願いします。」
結局私は、きれい目なワンピースを着ていく事にした。
私の家に迎えにきてくれてた夢野先生は、いつもの書生服ではなく、ラフな格好。そして眼鏡をかけていた。
正直とてもカッコいい。
幻太郎「そのワンピース似合っていますよ」
A「…ありがとうございます」
夢野先生もすごくカッコいいですよ、そうやって素直に言える日が来るのだろうか。
相も変わらず、私は夢野先生の前では意地をはりがちだ。
幻太郎「では行きましょうか」
差し出された手を握る。
付き合い始めてから夢野先生は嘘をつくことが減ったように思う。
相変わらず嘘つきではあるのだけれど。その代わり、私をよく褒めるようになった。
嬉しい。とても嬉しいんだけど、めちゃくちゃ恥ずかしいというのが本音だ。
幻太郎「いきなりすみませんねぇ。
彼が貴女にどうしても会いたいと聞かなくて。」
言葉だけでは渋々といった感じだが、なんだか嬉しそうだ。
A「いえ!私も会ってご挨拶したかったので」
幻太郎「きっと彼も喜びます」
夢野先生が私に会ってほしいと言った人。それは夢野先生の友人だ。
電車を乗り継ぎ着いたのはとても大きな病院だった。
その中の個室に彼はいた。
「入るよ」そう一言声をかけて私たちは病室に入った。
予め買っておいた果物を渡し、仲良さそうに話をする二人を眺める。
青年「こんにちは。君が夢野の恋人だね」
A「こ、こんにちは。」
緊張する。
青年「可愛い子じゃないか、夢野にはもったいないな」
そう言って笑う彼はとても痩せていて、起き上がるのがやっとのようだった。
青年「夢野、少しこの子と二人で話をしてもいいかい?」
幻太郎「…あぁ」
青年「そんな顔をしなくたって取ったりしないよ」
渋る夢野先生をなんとか追い出して、彼の近くの椅子に座る。
青年「ごめんね、僕はずっと君に謝りたかったんだ」
A「え…」
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はりそん(プロフ) - オタクさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです!こちらこそありがとうございます!!! (6月19日 8時) (レス) id: bafcf47fba (このIDを非表示/違反報告)
オタク - すごくいいお話だったので一気読みしてしまいました!こんなに素敵な作品を作ってくださって本当にありがとうございます!! (6月19日 1時) (レス) id: 7a68ba3320 (このIDを非表示/違反報告)
はりそん(プロフ) - マイケル磯田さん» コメントありがとうございます!最高なんて言って頂けて私も最高です!すごく嬉しいです!ありがとうございます! (2022年4月22日 0時) (レス) id: bafcf47fba (このIDを非表示/違反報告)
マイケル磯田 - ふと、推しの夢小説って読んだことないな…と思い主様の作品を拝見させていただきました!あの…最高でした(語彙力)世界で1番幻太郎のことが大好きで、物語の中の彼が可愛すぎて、悶絶しながら読ませていただきました(笑)幻太郎の新たな一面も見れて楽しかったです! (2022年4月12日 7時) (レス) id: a8e885080b (このIDを非表示/違反報告)
はりそん(プロフ) - 花奏さん» コメントありがとうございます!ひぇ、、、そう言って頂けてこちらも胸いっぱいです……!ありがとうございます!!!! (2021年11月17日 2時) (レス) id: bafcf47fba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はりそん | 作成日時:2018年9月6日 2時