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お「〜♪
……ん?あれ?いちまっちゃーん?帰んの?」
階段を降りて来たのが一松だと分かると、おそ松は呑気にそう聞く。
一「……用事が、できた…」
いつになく暗く、どことなく掠れたその声に、おそ松は首を傾げる。
コンロの火を切り、野菜炒めを素早く皿に移すと、おそ松はエプロンを脱ぎ捨てて一松の後を追った。
お「おーい、待って待って」
靴を履いてる時間がないため、慌ててカラ松のサンダルをつっかけて家を出る。
一松はそう足の速い方ではないので、まだ家からすぐ見えるところにいた。
お「一松ぅー?突然どったのお前」
足早に立ち去ろうとする一松の腕を掴み、引き止める。
振り返った一松は、今にも泣きそうな顔をしていた。
お「…カラ松となんかあった?」
一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに切り替えられるのがおそ松の良いところだった。
『カラ松』の名を聞いたせいか、一松の頰に、一筋涙が伝った。
一「、俺…カラ松に、酷い事言っ……ッ」
お「おーおー、とりあえず落ち着け」
此処じゃ人目につくなぁ…とおそ松は一松を引き連れて河原に降りる。
お(でも…一松がこんな風になってるくらいだから、カラ松も放っておけねぇんだよな…
でも、カラ松はああ見えて結構強いからなぁ…)
おそ松としては、一松もカラ松も大事だった。
だから、何方を取るとかそういう事は出来ない…が、何せ自分の体は一つしかないわけで。
何方かの方にいれば、何方かを放っておく羽目になってしまう。
お(…手短に、終わらせられる…か?)
河原に降りると、おそ松はそこらにあった石に腰を下ろした。
一松もつられて、近くの石に腰を下ろす。
いつの間にか子供の様に泣きじゃくっている一松に、おそ松は少し困惑してしまう。
此奴がここまで泣くって珍しいな、と。
お「…。
お前さぁ、さっき、カラ松に酷い事言ったって言ったよね?」
一松の背中をさすりながら、優しげな口調で、慎重に言葉を選びながら続ける。
お「カラ松はさぁ?ああ見えて結構強いんだよ〜?
なんて言うのか…えっと、壁があったらぶち壊すタイプ!っての?」
幾ら言葉を選んでいても、結局彼は馬鹿なので、そんなに良い言葉にはならない。
普通の人なら、何だよそれ、とかなりそうなもので。
お「それに、あいつはお前が口下手なの知ってるし!」
と、ぽんぽんと頭を軽く撫でてやる。
そうすれば、嗚咽交じりに一松が言った。
一「…俺、カラ松に…もう会わないって言っちゃった…」
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おそ松さんgirl(プロフ) - みくさん» ありがとう!頑張る!! (2018年6月3日 23時) (レス) id: 1f58a69c9c (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 面白いよ!更新頑張ってね! (2018年6月3日 23時) (レス) id: 7f167612e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:松壱 | 作成日時:2018年5月20日 12時