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カ「一松先生のおんぶ…久しぶりだなぁ♪」
一「…………車持ってなくてすみませんねぇ」
スタスタと歩くのは、カラ松をおぶった一松先生だった。
免許はあれど、実際車に乗るのは猫を轢いたりしたら嫌だから、という理由で車は持っていない。
だからカラ松が怪我した時のみ、こうやっておぶって家に送っているのだ。
カ「でも、俺と荷物と背負って…重たくないか?」
一「…これでも一応学校の教師だし。養護教諭だけど。
教師って体力ないとやってられないからね」
まぁ俺はそんなにある方じゃないけど、と付け足して自虐的に笑う。
そんな先生にカラ松は「そうなのか…大変だな」と驚いたような顔をしていた。
カ「…シスターも大変そうだったもんなぁ…」
一「…え?シスター?」
カラ松がついこぼした言葉に、一松先生は反応を見せる。
あっ、と慌てて口を押さえたが、やがて観念したようにカラ松は話し始めた。
カラ松の話の内容は、
カ「実は俺、前世の記憶があるんだ。
前の俺は吸血鬼で、名前は…カラマトゥ?だったんだ。
ある日とても愛しい人を見つけて…
すぐ死んでしまったけど…」
カラ松が言葉を切ると、「へぇ」と興味無さげに先生は応えた。
そんな先生に対して、カラ松は、「なぁ先生」と声をかける。
一「何?」
カ「その愛しい人…シスターは、先生だと思うんだ。
先生は前世の記憶を持っていたりしないか?」
一「…………馬鹿馬鹿しい事言ってんじゃねぇよ…
あるワケねぇだろ?前世の記憶なんて。
ほら、ついたから。下ろすよ」
一松は話を払い除けるように吐き捨てると、『松野』という表札の家の前で、カラ松を下ろした。
此処がカラ松の家だった。
カラ松は鍵を出しながら、「そうか…変な事聞いてごめん、先生」と謝る。
一松は溜息をついて、「別に謝らなくていいけど」と歩き出した。
カ「あれ?先生、夕飯…」
一「悪い、用事思い出したから」
カ「あ、そ、そっか…じゃあな!先生」
一松が立ち去ってから、カラ松は暫く玄関の前に立っていた。
が、ふと自分の手を見て、呟いた。
カ「…俺が、死ぬとき……俺の手を握っていてくれたのは…
一松、先生………確かに、先生だった…」
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おそ松さんgirl(プロフ) - みくさん» ありがとう!頑張る!! (2018年6月3日 23時) (レス) id: 1f58a69c9c (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 面白いよ!更新頑張ってね! (2018年6月3日 23時) (レス) id: 7f167612e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:松壱 | 作成日時:2018年5月20日 12時