検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:1,832 hit

..3 ページ20

.





一松の自宅はカラ松の家から然程遠くない所にあり、行き来するのに便利であった。
自宅、と言ってもマンションで、彼の部屋番号は606号室だった。
エレベーターに乗り込み、『6階』と『閉』のボタンを押せば、自分を乗せたその箱は、自動で6階まで連れて行ってくれる。
なんと楽かつ便利なのだろう…。

部屋に入ると、靴を脱ぎ、電気をつけることもせず奥の部屋まで進んで行った。
寝室まで進むと、真っ暗闇だったせいで、床に置いてあった荷物につまずき、彼はベッドに倒れこんだ。


一「ああああ〜〜…………ウッッッソだろ…」

倒れこむなり、眼鏡をずらして両手で顔を覆った一松。

一「…なんっであいつが前世の記憶とか持ってんだよ…」


…どうやら、一松も、カラ松同様前世の記憶があるらしかった。
カラ松にはあえて嘘をついたのだ。

『もし自分も記憶があると言えば、前世の事に捉われるかもしれない』

そう思ったからだった。
一松としては本当は言ってしまいたかった。
しかし、それだけはできない。

一「……………」

だが、思い出したのはカラ松の顔。
「前世の記憶なんてねぇ」と突っぱねてしまったが為に、カラ松に悲しそうな顔をさせてしまった________

一「……」

一松は立ち上がると、カーテンを開いた。
夕焼けが橙色に部屋の中を染めた。
ノートを取り出し、シャーペンを取り出し、一松は絵を描き始めた。

________かつての自分と、カラマトゥの絵だった。

一「…捉われるか、捉われないかは……彼奴次第だ」

その絵に一文添えると、ノートのそのページを破り取った。
差出人は書かずに、カラ松宛という事だけがわかるように白い封筒に『松野カラ松様へ』とだけ書いて、手紙をしまった。


一「……………出し行くか」

封を糊付けすると、一松はまたも家を出る。

向かうのは________カラ松の所だった。

..4→←..2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
4人がお気に入り
設定タグ:おそ松さん , 色松 , 派生
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

おそ松さんgirl(プロフ) - みくさん» ありがとう!頑張る!! (2018年6月3日 23時) (レス) id: 1f58a69c9c (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 面白いよ!更新頑張ってね! (2018年6月3日 23時) (レス) id: 7f167612e6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:松壱 | 作成日時:2018年5月20日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。