皆が大好き‥だから。 (ページ13)

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一松side

一「っ……ぐ………うぇぇ………はぁっ……」

どんなに吐いても、吐き気がおさまらなかった。
やはり、無理やり食べたのは失敗だった。

不幸中の幸いというのか…十四松は台所にいたらしく、降りてきた俺に気づかなかった。

一「げぽっ……おええ………あっ……ぅ……」

辛い……。
でも十四松は弟だ。
兄ならまだしも、弟に迷惑、心配をかけさせるわけにはいかなかった。

だから助けも求められない。

チ「ただいま。」

………！！
誰かが帰ってきた。
この声はきっとチョロ松兄さんだ…。

チョロ松兄さんか………。
できれば兄弟にはバレたくない。
でも正直怖くて、涙が止まらなかった。

だってさ、吐瀉物に混じって、血も吐いてるんだもん‥！
怖い。怖い！怖い怖い怖い怖い怖い！！

死にたくないっていってるのに！

俺は嗚咽交じりに助けを求める。

一「はぁっ……は………チョロっ…ま……にい…………さ………ぅっ……く………」
チ「一松！？」

チョロ松兄さんは、俺のその蚊の鳴くような声に気がついて、トイレへと駆け込んできてくれた。

チ「一松！大丈夫！？」
一「チョロ松………兄さぁ…………ぁ…」

涙でぐしゃぐしゃで、吐いている姿を見せるなんて、醜態を晒してるとしか思えないけど‥
今はそんなこと考えている余裕はなかった。

チ「もう大丈夫だからね…ほら、落ち着いて……」
チョロ松兄さん、本当は潔癖だから、こんなとこ見るの嫌だと思いけど…
それでも僕を安心させようと、背中をさすってくれた。

その内、僕は落ち着いてきて、また眠ってしまった。
この頃、発作…みたいなのが来るのが早くなっている。