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噛ませ犬は頭が弱い。 ページ8

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少女の家には今日まで変わらず、不定期的にストーカーから手紙が送られていた。





──これで、よし。





届け人は変わらず赤葦なのだが、最近は少し具合が違う。





──にしても、しんじは随分と頭が弱いなあ。





赤葦から自然と笑みが零れる。それはまさにその森が少女を襲う以前の、ある日の早朝2時。



今日も無事に少女宅に手紙を届けると、赤葦は静かに自宅の扉を開けた。寝付きの良い赤葦の両親は赤葦が夜明け前に出歩いていることなど知る由もないのだが、赤葦は念には念を入れ、足音を立てないように自室へ引き返す。



そっと扉を閉めて、そこでようやく赤葦は気を緩める。



何だか目が冴えてしまった赤葦は、一度はベッドに向けた足を、勉強机に向け直した。LEDのデスクライトのスイッチにその長く逞しい腕を伸ばす。



部屋の電気は点けていないにしろ、やはり深夜には眩し過ぎるその白い明りを頼りに、赤葦は本棚に本と混ぜて置いてあるフェイクブックボックスから一つの鍵を取り出す。そして鍵付きの勉強机の引き出しを施錠し、手前に引いた。



中には普段あまり使わない文房具が収められていたのだが、赤葦は一度それらを机の上に出すと、更にその引き出しの二重底を取り出した。



すると現れたのは、ひとつの白いケース。



ふう、と一息ついた赤葦は、そっとケースの蓋を外した。



中には黒く不透明なクリアファイルと、未使用の便箋と封筒、そして封蝋のシールが数個貼られた台紙が入っていた。



赤葦はクリアファイルを手に取ると、中から数十枚のルーズリーフと封筒の入った便箋を取り出した。しかし、便箋と封筒に至っては、先程のそれらとはデザインが全く違う。





──嗚呼、本当に頭が弱いなあ。





赤葦はまた一つ笑みを零すと、乾いた音を立てながら丁寧に封筒から取り出した便箋を開いた。



シャープペンで便箋一杯に少女への切なる思いが綴られている。しかし、それらは全て読み易くも、妙に丸々とした特徴的な文字だった。まるで、態と字体を変えているような。



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俺から送る。→←俺の恩を。



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設定タグ:ハイキュー , 赤葦京治 , ヤンデレ   
作品ジャンル:得する話
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ライア(プロフ) - あああああヤンデレぷまいーーーーーーーーーー(^q^) (2019年7月11日 0時) (レス) id: 22a2268380 (このIDを非表示/違反報告)
たなぱし(プロフ) - ぴよ曜さん» ぴよ曜さん、コメントありがとうございます!なんと、この小説で赤葦推しを生んでしまうとは…!!理想だなんて言ってもらえて光栄です!最後までお読み下さりありがとうございました(*´ー`*) (2017年8月26日 0時) (レス) id: 47f42923ee (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ曜 - この小説のおかげで、赤葦推しになりました!(笑)この小説の赤葦は、私の理想です!!完結おめでとうございます!&更新お疲れ様でした!!! (2017年8月25日 11時) (レス) id: 9123716162 (このIDを非表示/違反報告)
たなぱし(プロフ) - 審神者代理さん» 審神者代理さん、コメントありがとうございます!好みに合えば幸いです!もう赤葦さんの溢れる何でも出来る感に頼りきった作品となってしまいました笑まさにスパダリやあ…(*´∇`*) (2017年8月21日 21時) (レス) id: 47f42923ee (このIDを非表示/違反報告)
審神者代理 - 完結おめでとうございます!やっぱりここの赤葦さんは好みだなぁ…赤葦さんは何でも出来る感がすごいありますよね( `-ω-´) (2017年8月21日 21時) (レス) id: d1c49bf55e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たなぱし | 作成日時:2017年5月28日 1時

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