【ハイキュー】皇帝の青春【黒バス】【男主】

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4月6日。



校庭の隅に植えられた満開の桜。春らしい。

烏野高校入学式。
入学式といっても、俺は二年生のため、あまり関係は無い。

体育館で校長の話を聞くだけなのは、眠くなる、と言い訳を心の中でする。
俺だけが持っている屋上の鍵を持って、こっそりと階段を上った。




「うわ、寒。」




扉を開けた途端に冷たい強風が当たり、身震いをしながらズズっと洟を啜った。
東京や、アメリカに居たときと、違った気温にはまだ慣れない。




「春ってなんだよ、4月も普通に寒いわ。暦変えるべきだろ。」





よく新入生代表挨拶で「春の暖かな日差しが〜」などと言っているが、春に暖かい日差しなんて存在しない。

俺は寒いのが大嫌いだ。手が冷たくなるし乾燥する。


学ランのボタンを一番上まで留め、よっこらせ、と腰を下ろす。
確か、青峰も部活サボるときは屋上に居たよな。今もそうなんかな。





「アイツ等、自惚れ野郎ばっかだったからなぁ。上手くやれてるか俺は心配ですよ。」







誰も居ない屋上に俺の言葉が浮かぶ。

それぞれ別の学校に行った後輩達の姿を思い浮かべる。紫原は中ではウチの学校と近いんだったか。



暫くボーっとする。


十分くらい経ったのだろうか、入学式が終わったのか、生徒の歩く音が微かに聞こえてきた。
それと同時に、スマホからメールを伝える通知音が鳴る。


せっかくサボっているのに誰だ、と思ってホーム画面を見ると、







【田中】








「……。」




何も言わず、電源を落とす。

あのハゲ、何で入学式に居なかったのかとか聞いてくるだけだろ。無視だ無視。




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