追憶 ページ7
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「なぁ、Aちゃん知ってる？」
ぼうっと窓の外を眺めていると、割と仲良くしてるみかちゃんが声をかけてきた。
「何を？」
問い返すと、興奮しきった状態でみかちゃんが話し出した。
「昨日のDDD！」
…ん？
「知らない人いる？」
周知の事実だったので逆に戸惑う。
「いや、まだ続きがあんねん！最後まで聞いてや〜。」
項垂れるみかちゃんにはいはい、と続きを促す。
「昨日のDDDで優勝したTrickstarにAちゃんと一緒に転校してきた子がついてたん。その子のおかげで優勝出来たんやって！」
「…あー、あんずのこと？なんか昨日の最後、ちょっとだけ舞台立ってたね。」
私はその時、観客としてその場にいたんだけど熱気やら何やらが凄かった。
「俺もあの子に会ってみたいわ〜。でもTrickstarのプロデューサーやったらValkyrieの敵やからやっぱりやめとこかなぁ。」
すっかり人気者になっちゃって、あんずは凄いなぁ。胸が少しモヤモヤしてるけど。
「いつかAちゃんもValkyrieのプロデュースしてな〜？Aちゃんはまだあんまり他のユニットと仲良くしてへんからValkyrieの敵やないし。お師さんもきっと良いって言ってくれるで！」
にっこりと笑うみかちゃんにモヤモヤが吹き飛ぶ。こんなに誘ってくれてるしValkyrieの専属プロデューサーもありかもなぁなんて思ったりもしてしまう。
「お話中、失礼致します。」
話しかけてきたのは、確か生徒会側の、生徒会長のユニット、fineの伏見弓弦さんだ。
「A様、咲野様がお呼びですよ。」
廊下を見ると、入りたそうにしているあんずの姿が見えた。
「あっ、ありがとうございます。」
怖い人だと思ってたけど、案外優しい人だった。
次は自分から話してみようかな。
そう思いながら、あんずのところに向かった。
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作者名：紫乃月 | 作成日時：2019年12月26日 22時
