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心配で涙を流してくれるなんて、そんないい人がいるか？と半信半疑だった俺。
｢松本くん、面接に行っておいでって言っても、出てくるまで待ちますって。涙流しながら心配してくれてたのよ。｣
小児病棟にいた時にお世話になった看護師さん。
人を疑う俺の性格をよく知ってか、そう話してくれる。
｢潤くん、本当にごめんなさい。それと、心配してくれてありがとう。｣
｢どういたしまして！あ、そんなに落ち込まないで？俺、こう見えて頭良いし、一般で受けても十分受かる自信あるから！笑｣
自信満々な顔でそう言う潤くん。
余裕があって、堂々としてて、そのおかげでこっちまで安心できて、、彼は凄い人だ。
1時間前に出会った人とは思えないほど仲良くなっちゃった俺ら。
処置室で患者衣に着替えさせられ、急いで脱がされた制服。
それをハンガーにかけてくれたりする。
急速に自分の領域に踏み込まれるのは好きじゃないんだけど、彼は特別で、嫌だとは思わず、むしろ嬉しい。
発作後で疲れてる俺を気遣ってか、たくさん喋りかけてくるわけでもなく、ただそばにいてくれて。
そんな所に、顔見知りのあの看護師さんが登場。
｢阿部さんどーしたの？｣
俺が問うと、嬉しそうに口を開き、
｢今から特別に面接できるって！和くんも、橘先生に聞いたら、このパックが終わったら行っていいって！｣
親指を立て、自分の事のように喜ぶ阿部さん。
わざわざ説得しに行ってくれるところが阿部さんらしい。
俺らの不安を取り除こうと行動に移せる彼女はやっぱり優秀な看護師。
俺が看護師を目指すきっかけになったのは阿部さん。だけど、恥ずかしくてまだその事を言ったことは無い。
看護師への憧れの気持ちを胸に、再び面接会場に向かう。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年7月7日 3時
