僕中心の世界 (ページ14)

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癒着しないようにと、術後すぐに歩行練習を始めるみたい。

数時間寝て、朝ごはんの時間に栄養剤を点滴で入れてもらい、リハビリの準備にとりかかる。

寝たっきりで身体中が凝ってたから
ほぐすために病室内を歩き回ろうかと
体を起こしてベッドから出る。

｢あ”っ、、、｣

下半身というか、腹筋というか、、そこら辺が麻痺した感じで床に転んでしまう。

こんな姿誰かに見せるもんかと急いで立ち上がろうとするんだけど、
本当に力が入らなくてここから動けない。

｢っ、、しょっ、、、｣

腕の力だけでベッドの枠を辿って布団に戻ろうとするけど、
元々の筋肉量が異常値で立ってられることも奇跡って言われたくらいだから、
腕も足同様に筋肉量が少なくてとても使い物にならないんだ。

いつの間にか汗をかいてて、
BGMをつけて観客いれて、メンバーがいてってなったらクリフクライムをしてるも同然じゃないか。

客観的に見ると大体そんな感じで、笑えてきちゃう。

でも数時間前まで高熱で低酸素症になりかけてたもんだから、
すぐにぐでっとしてぐでたま状態になってる俺。

｢二宮さんっ！！！｣

リハビリの時間ですよと呼びに来た看護師さんがベッド脇に横たわってる俺を見て悲鳴を上げる。

ごめんよ驚かせて。

熱がぶり返してきたのかヒートショックを起こしてる俺の脳はバグってて、
酸素マスクを付けられるほどの状態なのに何故か余裕があって平然としてる。

｢これくらい動けば今日のリハビリはお預けにしてもだいじょぶですね。｣

先生には誰かがいない時は絶対にベッドから離れるなと釘を刺され、ついでに点滴も刺され、ベッドから動けなくなる俺。