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｢ん、一昨日のお金｣
｢あー！まさか返してくれるとは思ってもみなかったよ｣
｢あ、じゃあ要らないんすね？｣
｢あーいるいるいる！｣
馬鹿といると風邪はすぐに治っちゃうもんで、痰がらみのしつこい咳もだるさもあっという間に消えて、日常が戻った。
｢雅紀、トイレ行こ｣
｢えー？また？頻尿だなぁ。てか、ひとりで行ってよ！俺、数学の課題終わらせないとなの！｣
｢あっそう。
…家でやってこいよ(小声)｣
｢なんか言った？｣
｢なんも。｣
雅紀に言われて気付いたけど、俺、最近頻尿だな。
まだ17歳だって言うのに中年オヤジみたいな症状出てんなぁ。
｢うわ、美味そうなの入ってんじゃん！｣
｢おいちょっと！！後で食べようと思って残しておいたのに！！｣
最近、食欲旺盛でお弁当の中身を増やして貰ったんだけど、それでも足りなくて雅紀のお弁当から餃子達を誘拐する癖がついちゃったんだよね。
｢太るぞ｣
｢大丈夫。華奢な俺はそんな簡単に太んないさ｣
そんな生活が続いて1ヶ月。
待ちに待った身体測定の日がやってきた。(ゆうて雅紀しか楽しみにしてない)
｢あれ、二宮くん、前回より3キロ落ちてるよ？なんかあった？｣
身長は3ヶ月前に測った時より2センチ高くなっていた。
でも体重は、あんなに暴食したのにも関わらず、3キロも落ちてる。
｢あんなに暴食してたのにそんな減ってんの？頻尿のせいで全部出ちゃってんのかね？(笑)｣
横で身長を測っている雅紀がバカにしたような口調でそれを言う。
俺のオキニの美人先生がいる前で頻尿のことを言うコイツは確信犯。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年10月23日 21時
