Walking with you 3 (ページ42)

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ネブライザーをしながら体位ドレナージ法を用いり、重力を駆使して痰を出しやすい位置にまで移動させる。

まだ若いから吸引には頼らず、咳をして自力で痰を外に出す。

その咳がまぁ辛くて、勢いで嘔吐してしまうのはそう珍しいことではない。

｢和にぃ大丈夫？｣

今日はいつも以上にげーげーしちゃって、その音を聞きつけた高２の弟が背中を摩ってくれる。

コイツは、僕が胎内に残した養分でこんなに大きく成長しちゃって、家族の中ではダントツで背が高い。

そんなんだから、僕が歩行できなくなった時とかはよくおぶってくれるんだ。

｢もーだいじょぶだわ。朝食前にごめんね。｣

咳や吐き気が諸々治まり、動けるように。

｢にぃのゲロ見たって俺の食欲は変わんないよ！ほら、茶の間行こ｣

雅紀といる時に関しては、なぜだか立場逆転するんだよね。

僕が弟のポジションで、兄ポジの彼に毎度の如く、手を引かれ、茶の間に顔を出す。

末っ子たちは、最近まで、雅紀の方が僕より年上だと思ってたらしい。(笑)