Walking with you 3 (ページ41)

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舞賀さん家の愉快な子どもたちページ41

｢ほらっ！ちゃんといれて！｣

｢やだもんね！｣

｢ヤダじゃない！あと36分でおうちでないとなんだよ！｣

僕の朝は末っ子たちのさえずりから始まる。

小2の翔はしっかり者だから、1個下の暴れん坊さんとは常にバチバチしてるんだよね。

そのバチバチが発展して、今は茶の間をドタバタ走り回ってるよ……(汗)

これじゃあご近所さんに迷惑だよ、、

｢っっ、けほげほっ、、けほけほっぇほっ、｣

ふたりを注意しようとして布団を出ると、肺の奥がゴロゴロしてて、湿った咳が込み上げてくる。

鼻の通りも今日は良くないみたいで、近くのティッシュ箱を引き寄せ、かむ。

鼻水を出す勢いに、過敏な気管支はごほごほと反応し、鼻水をスムーズにかめない。

｢おはよ。食べ物の夢見てたでしょ？明け方、マヨネーズがなんちゃらこーちゃらって寝言言ってたよ……(笑)｣

げほげほしてると戸が開き、イケメンが入ってくる。

慣れた手つきでネブライザーに薬剤を入れ、それを僕に無言で差し出し、部屋の加湿器を止める。

双子ではないんだけど、同じ学年の僕ら。

潤を産んで間もなく、僕の命がお母さんのお腹に宿ったせいか、不完全なまま世に出てきちゃった僕。

顔は潤に似てるんだけどあそこまで濃くなくて、むしろ薄い。それに、身長は低いし、身体が丈夫じゃない。

身体の方に関しては、気管支炎や肺炎を繰り返した末、線毛機能不全症候群という病気になってしまって、その合併症として、気管支拡張症や慢性副鼻腔炎を発症してしまった。

毎日朝晩2回の体位ドレナージ、ネブライザー、服薬と時間もお金もかかる治療を受ける。

下に3人も弟がいる上に、優秀な兄は大学に通っている。

そんななか僕まで大学に通ったらみんな食べて行けなくなる。

そこで、僕は勉強するだけでお給料が貰える税理士(こんな言い方したら語弊を呼ぶぞ……)になり、一家の大黒柱に。