Walking with you 6 (ページ11)

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舞賀家のマイガールページ11

｢和、大丈夫か？｣

｢うん。大丈夫。
それより、やっぱブルーノは格別だったね｣

｢だな。
いい思い出のまま終われるようにっ、
はい、水飲んでちょっとそこに腰かけよう。｣

俺は大学1年生の舞賀潤。
双子の兄、和也と、東京で数年ぶりに行われた
ブルーノコンサートを見に来ている。
というか、見てきた。
今はホテルに戻る最中。

兄の和也は、特に持病はないものの
病弱であったため、入退院の回数は数え切れないほど。

だから、コンサート終わりの耳鳴りや頭痛、疲労感なんかは
一般の人よりも酷くて、この前行ったコンサートでは
ホテルにも戻れないくらいのコンディションになっちゃって
そのまま2日間入院した。

今回はそうさせない為にも
こうして見張っているのだ。

｢しんぱいしょう……(笑)｣

ベンチに腰掛け、恥ずかしそうに笑った彼。

美しさ、儚さ、尊さ、懐かしさ、、、
色んな感情がいっきに押し寄せ、息が詰まる。

｢じゅん？だいじょぶ？｣

｢あ、うん。
なんか、ふと思い出しちゃってさ。｣

｢なにを？｣

｢昔のこと。
っほら、兄貴たちがオタクしてた時の。｣

｢あぁぁぁああ(笑)
っっいてて、、｣

｢頭痛するんだからそんな騒がないの(笑)｣

｢ごめんごめん、(笑)
忘れかけてたもんだから、
思い出した時の興奮半端なくて、｣

辛そうにしてた和が
ここまで興奮するのには理由がある。