第9話 ページ11
｢ジョースター卿、それは誤解です。僕はダニーとかいう犬が突然走ってきたのに驚いて思わず蹴ってしまったのです｣
その言葉を聞いた瞬間、ディオ様に本当に失礼だと思うが、少しムカついた。
あの時のディオ様は明らかにわざに見えた。嫌がらせのようなものだ。
しかしそれを信じてしまうのがジョースター卿だ。心優しい彼はどんな嘘でも信じてしまう。
｢ジョジョ、ディオ君もわざとじゃないといっているし、許してやってくれ｣
｢･･･はい、父さん。僕も突然犬が走ってきたらびっくりしますし｣
ジョナサン様はジョースター卿に言われて、ああ言っていたが、顔はとても不服そうな顔だった。きっとジョナサン様も私と同じ考えなんだろう。
｢さて、3人とも中に入ろう｣
｢はい、ジョースター卿｣
不敵な笑みを浮かべながらディオ様が先頭で中に入る。
私はこのあと女中としての仕事があったので、ここでジョナサン様とディオ様と分かれる。
｢ねぇミッシェル｣
不意にジョナサン様が私を呼んだ。
｢なんでございましょうジョナサン様｣
｢僕･･･ディオ君と上手くやっていけるかな？｣
ディオ様と出会う前の楽しそうな顔はもうそこにはなく、不安と悲しみでいっぱいの顔で私を見ていた。
｢･･･まだ最初ですから大丈夫ですよ！｣
ジョナサン様を元気づけるようにそう言った。
私に出来るのはこれくらいしかないのだろう。
ジョナサン様は少し気が楽になったようで、｢そうだよね！｣と言って中へと入っていった。
･･･結局的確なアドバイスは出来なかったな
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作者名：柿ピー | 作成日時：2018年4月15日 19時
