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｢ま、こんなもんかなー｣
そうだったんだ…。
｢俺の知らないカゼだ…｣
｢あの時は、冷酷だったからね｣
來夢は諒に頭を下げた。
｢來夢くん？｣
｢俺…、お金払ってないから…頑張ってここで仕事探して払います！｣
諒は顔の前で手をブンブンと振った。
｢払わなくていいよー！來夢くんは特別｣
來夢は眉を下げる。
｢でも…1000万って大きいし…｣
諒は來夢の頭を撫でた。
｢いいのっ！來夢くんはそんなこと気にしなくて。本当、いい子なんだからー｣
｢いい子じゃないです…｣
｢いい子だよー。心配になるぐらいにー…｣
來夢はふわっと笑った。
｢ありがとうございます｣
｢っ！｣
諒はギュッと來夢に抱きつく。
｢可愛い！ちょ〜可愛い！｣
｢へ？諒さん？｣
壁にかかっている時計が來夢の視界に入ってきた。
3時55分…。
カゼ、何時に帰ってくるかなぁ。
―……―。
カゼは道を走っていた。
｢クソッ！｣
帰ってる途中、集団に銃を向けられた。
何とか早くに気づけていたから大半は殺せた。
だが、後3人残っているはずだ。
どこだ…。
集中する。
端の方でわずかに人が動く気配。
カゼは流れるような動作で引き金をひく。
死んだ。
後二人…。
カゼが集中しようとした途端、急に二人の男がバッと出てきた。
｢バケモノ！死んでたまるかッ！｣
｢うわあぁぁぁーーーーッ！！！｣
狙いを定めようとすると二人の男は銃を適当に撃ちはじめた。
ヤベ…。
弾をみて避ける。
その間に一人を撃ち、後一人だけになった時一発の弾が、左肩に命中した。
｢っ！｣
痛みに顔を歪める。
利き腕じゃなかっただけましだ。
右腕を上げ、銃を撃つ。
男は倒れた。
左肩から血が勢いよく流れ出ている。
あたりどころが悪かったようだ。
気が遠くなる。
カゼは何とか歩きだし、諒の家を目指す。
俺こそ死んでたまるかッ。
まだ目的が達成されてない。
終わってないんだ！
傷口が疼く。
熱い。
來夢の顔が脳裏に浮かんだ。
待ってろ…帰るから。
カゼの足は動かなくなり体が傾く。
倒れた。
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作者名：みあゆい | 作成日時：2019年12月6日 17時
