12．色々と ページ13
Aside
三日月さんと少し歩いて、近くのベンチに座る。三日月さんも私の隣に座った。
天下五剣、ってのは本当に凄いな。座るだけでも絵になるから。
三日月「……それで、A。色々と、聞きたい事があるが…」
『そうね…私がどうしてここに来たか、でしょう？』
遮る様に言うと、三日月さんは図星を表す様に、目線を下げた。
この人は分かりやすいな…
『でも…それは、私の主さんにも、乱ちゃんにも言わなければいけないの。
あの二人だって、貴方と同じ質問が幾つか浮かんでいる。だから、三日月さんだけに話す、って事は出来ないわ。』
そう…ここで話しても、意味はない。
それに、もう一度主さん達の前で話すのも、面倒だ。
そんな事言ったら、質問する内容が思い浮かばないわよね…
三日月「…では一つ。どうして背中の傷が消えているのだ。」
『…あ、やっぱり分かるものなの？』
三日月「俺とAは、不明瞭でありながらも契約を結んでいる。
今までいた場所以外は分かるのだよ…本人が拒絶していなければな。」
あー……やっぱ、神様だなぁ。
そういうの、一瞬で分かっちゃう。今までの経験、ってのもあるけど。
私は元は人間だから…そういうのは、分霊より分かりやすいのかもしれない。
『んー、とね。とある本丸の審神者さんに治されたの。』
三日月「…治されたのか？大きな傷を…？！」
そう、あの審神者さんは、私の傷を治してくれた。
その後、霊力の使いすぎで倒れちゃったけど…元気そうだったな。
『それと同時に、私は気付いたの。自分の運命を。』
ちゃんと、刀剣女士として、人間として、Aとして。
成すべき使命が、今回でようやく分かった。
…なんか、修行みたいだな。行く気はさらさらないけど。
三日月「…そうか。しかし急変したなぁ。
あれだけ無口で目を合わせる事も精一杯だったのに、今は違う。
真っ直ぐ、自分の意思を貫いてるな。」
『うん。やっと分かったからね。』
自分が今、何をすべきなのか…そう思いながら、手の平を見る。
この手に、たくさんの傷を負った…けど、勇気も持てた。
三日月「…A、ここにこい。」
『……えー…』
手の平を見つめるのを止め、三日月さんの方を見る。
三日月さんはぽんぽん、と自分の膝を軽く叩いている。膝に乗れ、と言う事だろう。
だが、体は子供でも中身はこれだ。
……あー、でも…凄いしょんぼりしてる。
仕方なく、私は三日月さんの膝に座った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 404人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです！演練２で女の子同士ではないでしょうか？ (2018年11月17日 23時) (
レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
あすひ - 面白くて一気に読みました！これからも頑張ってください^∞^ (2018年10月10日 18時) (レス) id: 514ad356af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：赤林檎 | 作成日時：2018年10月7日 0時
