33,分かんないよ、だってまだ高校生だもん ページ3
小金井先輩は俺に近づいてきて、俺の両肩をガシッと掴んだ。
「あのねAちゃん。サッカー界の女神っていうのがとんでもなく凄くて、サッカー部に追われるのは分かるよ。
でもさ、それだけの理由で部活に来ないの? Aちゃんはバスケをやりたいから、バスケ部に入ろうとしてるんでしょ? なんで逃げるの。真っ直ぐ部活に来ればいいじゃん。確かに今は仮入部期間だけどさ、来たいなら来ればいいじゃん。
心のどっかで、バスケ部の先輩たちにもサッカー部に行ったほうがいいって言われる、って思ってたんじゃないの?」
小金井先輩が言ったその言葉にドキッとする。図星だったから。
「それは、その・・・・・・」
「ねえAちゃん。それって俺達のこと信用出来てないってことでしょ?」
「おいコガ!」
土田先輩が止めに入るが小金井先輩は止まらない。
「っいや、そんな事は」
「ううん、Aちゃんは俺達のこと信用してない。なんでか分かる?」
「なんでって言われても、理解出来てたらこんなことには。」
心が痛い。小金井先輩の言葉が痛い。先輩達や同級生の視線が痛い。
逃げ出したい。
「今この状況から逃げ出したいと思ったでしょ」
「っ! なん、で。」
「Aちゃんはそういう人だよ。自分を責める人だ。だから人を信用出来ないんだよ、多分。」
そう言われて、どこか納得している自分がいた。
「だから! 今日から俺達が! Aちゃんの重さを! 共有する!!」
「は、?」
重さを共有するって、どういう意味なんだろうか。理解しかねるAをよそに、先輩達も同級生達も目を合わせて頷きあっていた。
「Aちゃん。明日からは絶対に部活に来ること! サッカー部の連中を連れて来ても許す。なぜならAちゃんはバスケ部の一員だから! 絶対にどこの部活にも渡さないし、Aちゃんが別の部活に行きたいって言っても離さないからね、覚悟しろ!」
「小金井先輩・・・・・・」
目頭が熱くなる。今瞬きをしたら涙がこぼれ落ちるだろう。人前で泣くのは嫌だけど、この人たちの前ならいいって思えてきた。
そう思った時には、涙が頬を伝っていた。右からも、左からも、どんどん溢れてくる。止められない、涙が。
周りの全員がどうしたものかと慌てていた。目の前にいた小金井先輩は、その中でも一番慌てていた。
「あり、が、うっ・・・・・・」
涙声だけど、顔なんてぐしゃぐしゃだけど、伝えたかった。でも、嗚咽のせいで出てこない。
感謝の言葉。
34,ここが、俺のいる場所だ。→←32,みんな驚きすぎですよ
193人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2022年4月6日 11時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 更新再開楽しみにしています! (2021年6月10日 15時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
あるな。(プロフ) - うたプリ大好き?さん» コメントありがとうございます!返信が遅くなってしまい、申し訳ございません。今は別作品をメインで執筆しており、こちらの作品は下書きに書き溜めている状態になります。60話まで書きましたら続編と同時に公開致しますので、もうしばらくお待ちください(>_<) (2021年6月10日 15時) (レス) id: c90668b635 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2021年6月6日 23時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
あるな。@ゆー(プロフ) - まゆさん» 返信が遅れてすみません!ありがとうございます、とても嬉しいです!頑張って更新しますね(*´ω`*) (2018年2月5日 0時) (レス) id: 4b1c29dc3a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あるな。 | 作成日時:2016年4月1日 15時