Let me hear your voice (ページ6)

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紫原side

一瞬少し驚いたように目を見開いたがすぐにメモ帳をだして名前を書いてくれた。

『秋津A』

んー、あきつって読むんだよね？
名前はAか

「秋ちんでいい？」

あ、めっちゃポカンてしてる
おもしろ

「だーかーらー、秋ちんって呼んでもいい？」

こくこくと頷く。
なんか意外に表情が分かりやすい気もする

俺が満足していると

服をつつかれた

「なにー？」

急いで指を走らせる秋ちん

『あなたの名前は何ですか？』

え、なに秋ちんも俺の名前知らなかったの
少し笑ってしまいそうになった

「紫原、紫原敦。よろしくね秋ちん」

秋ちんは何か考えているみたいだった

「どーしたの？」

『あだ名がいいの思いつかなくて』

困ったようにする彼女
そんなのに悩んでたのか、やっぱこの子おもしろい

「紫原でいいよ、紫原で」

そう答えるとうんと秋ちんは勢いよく頷いた。

あ、学食忘れてた。

「秋ちーん、俺向こうで待ち合わせしてるから、後は自分で出来る？」

『うん、ここまで連れてきてくれてありがとう。紫原』

口パクでありがとうを言いながらパン売り場へ走っていく秋ちんを見ながら、もう少しあのコロコロ変わる顔を見ていたかったなーなんて思いながら赤ちん達の方へ俺も向かう。