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受験生なきみ ページ3
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「え！これ好きなの！？」
「うん！めっちゃ好き！」
初めて女友達ができたと思った。
僕らは休み時間になるたびに喋ってて
マンガのことはもちろん、今朝のご飯の話とか飼いたいと思ってるペットの話とか。
「智洋はどこに住んでるの？」
「あっちの方やな」
「じゃあ一緒帰ろうよ！私もそっち！」
そして僕らは偶然にも帰宅方面も同じ。
仲良くならないはずがなかった＿＿＿＿
「なぁ智洋？……智洋！私の話聞いとる？」
「あっごめん、もっかい言ってくれん？」
「私の話聞いとる？って言った」
夏休みを迎えた僕らはAの案で図書館へ。
出会った1年前と比べたらAはすっかり関西弁に慣れとる。
「ま、ええわ。受験勉強するぞぉ！……うわぁ！」
駆け出したAは目の前の段差でつまづき転ぶ。
「智洋たすけて。痛い」
「もう何回目やねん、気をつけなあかんで」
仲良くなってから知ったのはAが転びやすいこと。
いつものように右手を差し出し
それでAは起き上がる。
「ありがと、気をつけてはいるんだけどね」
そう言って笑うAの顔をみて僕はいつも安心するんや。
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