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ずっと海の方向に進めば海に続く逆流の滝。
陸の方に進めば鉱山があった。
「全世界の約20%の通貨がガラシア様の手にあります」
加えてガラシアは、5本の指に入るほどの超超大富豪である。
そして見えるのはまるでお城。
ここはひとつの国家のような場所らしい。
「そして一国の国王でもあります」
巨大な塔からは大きく花のような花火が打ち上げられていた。
それから一通り回りの説明が終わった。
「ありがとうミブル。では諸君いこうか、ここの科学力が知りたいのだろう?」
「はい、今後の課題に役立てたいと」
「君はラインヘルツ家だな、会えて光栄だ」
「こちらこそ会えて光栄でございます」
スティーブンとクラウス
ガラシアにミブルは黄金の道を歩いて行った。指にはめられたいくつもの指輪は全て黄金でできているのだろう。
「あれを見ろ、世界一大きなクリスタルだ」
しかし、その指輪がはめられていないところが一つあった。そこは
左手の薬指だった。
「これ一つ一体いくらの価値があるんだ?!」
ダイヤが散りばめられたハンドメイドのドアノブ。
「スティーブン見て見ろ」
「なんだ....あれっ」
スティーブンはクラウスが指す方向を見た。
巨大な動物が尾を上下に降りゆっくり浮遊しているのが見てとれた。
「クジラかあれ?!」
なんと浮遊しているのは海に生息しているはずのクジラだった。しかも背中に乗せているのは城である。巨大なクジラには巨大な城が建造されており一つのあれもまた王国のようだった。
「あれはムーンというクジラだよ。大きいだろう?あの上には特等客が来ているのだよ」
笑って話すガラシア
特等客とは異界の中でも地位が高い者を指す特別な客。ムーンは高貴な人間が泊まったり、住んでいたりするいわば別邸のような場所だ。
「ここから行き止まりまでは約10kmございます。なのでムーンに乗れば街全体が見渡せてとても良いのですが申し訳ございませーん」
女は眉を下げて謝っていた。
あそこは地球人が踏み入れられないほどに高貴な場所のようだ。
「そうだな、あそこに行くと言ったら蓬莱の玉の枝でも手見上げに持っていかないといけないかも知れないな」
「ははははさすがラインヘルツ家だ、面白い事を思いつく」
「いや〜とんでもございません」
そんな他愛無い会話はこの小さな世界の小さな出来事に変わりなかった。
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作者名:ミクロ | 作成日時:2017年11月21日 19時