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「私も君たちと似たような者なんだよ。牙狩りみたいに」

「.............」






牙狩りが、牙を抜かれた姿がまさしくこれなのかもしれない。
彼の周りには赤い目の住人が集まった。







「落ちぶれた牙狩りですか。」







クラウスの腹から出された声に、ガラシアは一瞬驚いた表情を見せたがすぐに平然とした笑いに変わった。






「ははは、ここの住人の殆どが牙狩りが対象とする血の眷属なんだよ。あのムーンに泊まる特等客だってそうだ。だから騒ぎを起こしてほしくなかったんだ」






スティーブンの足が動かなくなった。黄金が彼を蝕んでいくのがはっきりと見えた。



「なんだっ...?!」



それはパキパキと音を鳴らし止まった。
金ピカの銅像にでもされる勢いだ。まるで、魔法のようにも感じる。痛くもなければ痒くも無い。







「ガラシア!望みはなんだこんな事をして許されるとでも思っているのか」







足が動かなくても口は動く。スティーブンは必死になった。いまここで死んでしまえばあの平和な日常が戻ってくることはない。

頭にはヴェデットやハイル。ライブラの仲間たちが映し出された。






「エスメラルダ式血闘道、絶対零度の小針(アグハデルセロアブソルート)






スティーブンを金で固めてしまおうと向きになったガラシアだが、、、






「今度はなん........だ」






うっ、と小さな悲鳴をもらした。
ガラシアの心臓が凍てつくような感覚に恐怖を感じ能力が弱まっていく。





「い"っ.....!」

「大丈夫かスティーブン!」





地面に落下したスティーブン。
それを見たクラウスが声を荒げた。





「ああすまないクラウス。はぁ...今回は本当に危機を感じた」





はぁはぁと呼吸が荒くなったガラシアはスティーブンとクラウスを睨んだ。





「なにをした.....」





手で肩を抑える。

赤い目の住人が守るように取り囲む。その中では顔まで霜に当たったようになったガラシアが膝をついていた。






「針を仕込んだのさ会ったときに...氷の針をね」





ゆっくりと立ち上がったスティーブンは腰を痛めたらしい。

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作者名:ミクロ | 作成日時:2017年11月21日 19時

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