吸血鬼のつくりかた ページ2
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ライブラの最近の情報だが、血界の眷属の出現率が高くなっている。それも、不思議なことに"鏡に映る血界の眷属"らしい。鏡やカメラにも映らないそれらは特定するのは困難である。
さらにおかしなことがある。それらを取り巻く人間がいるらしいじゃないか。
鏡に映る血界の眷属とは異なり、姿形は人間である。長生きもしない。ただ、人より並外れた戦闘力を備えているそうだ。
「これは相当な闇の深さだな」
ライブラを悩ますある事件。
吸血鬼の目は真っ赤なルビーのようと比喩されるが、最近闘った吸血鬼はone-eyesだ。つまりは片方の眼だけが赤いということ。
「あれは人なのか血界の眷属か。なにかわかる手はあるだろうか」
「わからない。ただ、もしかしたら人間だった可能性が高い」
資料と映像を交互に見ながら口論していた。
スティーブンの言葉に疑問を感じたクラウス
「人間だったとは」
牙狩りなら全員知っていよう。吸血鬼伝説では吸血鬼に血を吸われた者は同類になる。感染を起こすように。
「確かに人間が血界の眷属になりうる。が、これが仮にも造られた人造吸血鬼ならわからなくもないということだ」
「造られた」こんな言葉をスティーブンは以前に経験していた。
「以前うちの構成員の一人が行方不明になっただろ？死体もみつからずの」
「確かにそうだが」
「あれから一週間後に闘った相手、彼にそっくりだったんだ」
ただ、彼の目の片方が赤い眼だった以外はそのままだった。外見こそそうであったが、他は変わり果てていた。
「人間が吸血鬼に改造されたわけ？なにそれ」
一緒に会議を聞くのはK・Kだった。
彼女も資料と話を聞き苦い顔をする
「そうだクラウス。大崩落の前に潰した血界の眷属信仰の組織覚えているかい？」
「勿論だともスティーブン」
3年以上前に一度今と似たような者達に会った事がある。目の色は覚えていないが、吸血鬼のように化けられる者や、技を出せるものがいた。
「あの時とこの事件はすごく似ているんだよ。人みたいな吸血鬼を見た」
人ならぬ者。吸血鬼のように長く生きることは出来ず、技も化けもしない。鏡にも映るものが何人もいた。
「吸血鬼を造りだすことが可能ならそれもあり得なくはない話だ...だが、どうやって」
とクラウスが悩む。
誰が何のために造りだすのか、それはどんな手法で造るのか。
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作者名：ミクロ | 作成日時：2017年11月21日 19時
