23.帰る ページ24
【治らないんです。
正確に言うと、その傷跡が綺麗になるまで治らない、です。】
その言葉が頭の中でしつこいぐらいに何度も木霊する。
『な、なんですか、それ?
え、術が解けないってこと…?』
「そうです。」
そんなのないよ、とばかりに神戸を垂れて絶望。
「ただし、治せないことも無いので傷跡が消えるように特別に調合した塗り薬を渡しておきます。」
『ちょっと、え?治せないことも無いって本当はどっちなんですか!!またからかいましたね!?』
「ふふっ、Aさんの反応が毎回楽しいものですから。」
怒りはあれども振り上げた顔の視界に移る楽しそうなしのぶさんのお顔にもう何も言えずで小包にされた薬を受け取った。
「毎日1回塗ってくださいね。まあ、塗ったところで跡が消えるのが少し早まるくらいですし、想定では約2、3年ですかね。薬がなくなったらまた取りに来てください。」
『え?え、待って、2、3年!?嘘っ!!』
「嘘などつきません。あ、そうそう、その薬は傷跡を消すことはできてもフェロモンを抑えることはできないので気をつけてくださいね。
私もまだまだ仕事があるので今日はこれで、さようならAさん。」
バシッと閉められてしまった扉。なんの質問もする暇など与えてくれず気がつけば屋敷から追い出されていた私。
もう少し説明あったり助けてくれてもいいのでは!?
これじゃ何をどう気をつければいいのかわかったもんじゃない。
それでも追い出されてしまった身。また中へ入る勇気もなく、ようやく帰りたかったはずの帰路を辿った。
そしてふと思い出される煉獄さん。
ああ、そういえばベッドに縛ったままだったわ。
少し可哀想だけど、しのぶさんたちが何とかしてくれるだろうし、また今度会った時にでも謝ろう。
そう軽く考え、長かった一日を終えたのだった。
その頃のしのぶさんと煉獄さん。
「煉獄さん。Aさんになにかしたんですか?あなたともあろう人がこんな目に遭わされるなんて、惨めなものですね。」
「……………何も聞いてくれるな胡蝶。」
「あら、元気もありませんね。煉獄さんらしくもない。」
「…そこで座って眺めていないで縄を解いてはくれないか。」
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かかす(プロフ) - 面白いです、作者様神.. (2020年3月2日 14時) (レス) id: cb1c312403 (このIDを非表示/違反報告)
メリ助(プロフ) - コメント失礼します!!この小説を読むのが楽しくて仕方ありません!!もっと更新頑張ってくださいっ!炭治郎が主人公のフェロモンにあてられる様を早く読みたくてそわそわしながら更新通知覗いてます…(〃ω〃) (2020年2月25日 4時) (レス) id: edf0a2913a (このIDを非表示/違反報告)
まりまる - かっ、神絵(白目) (2020年2月22日 3時) (レス) id: 47953253f0 (このIDを非表示/違反報告)
シュラス - え、あの絵のどこか汚いんですか?寧ろ神レベルじゃないですか。マジリスペクトしてますよ?もっと自信を持って下さい!( ´∀`) (2020年2月13日 1時) (レス) id: 7e1b00660a (このIDを非表示/違反報告)
Rinu - ○○しないと出れない部屋がいいです! (2020年2月10日 20時) (レス) id: 2e42f0c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水飴 | 作成日時:2020年1月24日 19時