23 ページ24
今はどうやら相手校が来るまでの練習の最中らしく、各自であーしたりこうしたり…
ボールがポンポン飛び交う中私は青城の監督さんとコーチさんを見つけると「お久しぶりです。またよろしくお願いします」と挨拶をした。
監督たちもこの何度目かの挨拶に私の顔も覚えてもらったのか、よろしく、助かるよ、なんて言葉をかけつつもどこか哀れみの目を向けてきている。
それはそうだ。自分の高校に在籍している生徒でもない私がここにいることに最初こそ不信感を抱いていただろうに、あんな駄々を捏ねられて、しかも急なお願い。
それに応えてきた私が徹くんの幼馴染として苦労しているんだろうな、なんて悟られているに違いないのだから。
と、それにしてもこの服を着るのも久しぶりだ。
ぶかぶかは変わらないのねと地味にずり下がっていくズボンを引き上げると同時に内側にある紐を自分のクビレに沿うようにキュッと結ぶと、毎回後に返す時に、「これまたすっごくキツくなってる!体育の時面倒くさいんだから直しといてよね!」
なんてぷんすか怒っている徹くんを思い出してクスッと笑いが漏れた。
直しておくことなんて簡単だけど、これは一種の私からの些細な反抗なので、これぐらい許していただきたいものだ。
さあ仕事仕事。最初は何をやればいいんだったか?
思い出に浸るのもそこそこに、ああ、ドリンクか、でもボトル見当たらないなぁと探していれば後ろから声をかけられた。
「Aさん。」
『あれ、えっと、あー、国見くん。』
「覚えててくれたんですかAさんっ」
ごめん国見くん。一瞬忘れてたし、頑張って思い出しても苗字までしかわからなかった。後で確認しておくね。
自分の記憶力の残念さに改めて呆れをなしつつも振り返った先にいた彼の嬉しそうな表情を見て何故?と不思議に思うもののまあいいか。
850人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れな(プロフ) - 良ければ更新お願いします!もっと烏野のみんなとの絡み見たいし欲を言えば全員分の落ちとかもみたいです!完結までついていかせてください! (7月24日 6時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
嵯峨野 繆謎(プロフ) - なんだか色々と話の構図がタイプです。続き楽しみにしてます、頑張ってください。 (2020年6月21日 5時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜 - お話読んでみたらすっごい虜になっちゃいました!更新頑張ってください("⌒∇⌒") (2020年4月29日 17時) (レス) id: d570b5d827 (このIDを非表示/違反報告)
るる - 三神ちゃんと影山の関係が気になります!更新大変だろうけどがんばってください!! (2020年4月29日 13時) (レス) id: 825ada6d1a (このIDを非表示/違反報告)
小百合 - 面白いです!!更新楽しみにしてます!!ファイトです!! (2020年4月29日 12時) (レス) id: b5a08e9156 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花子 | 作成日時:2020年4月28日 1時