#３ ページ3
城の出入り口まで来たが、軍服に身を包み、マフラーを首に巻いた男が１人、立っていた。
「…どいてもらえません？」
いや、まあ答えは知ってるけど。
「ここで逃がすわけないやろ、観光客。」
でしょうね、ええ。知ってました。
手には蒼く透き通った剣が握られている。
しかし、ところどころ輝きが濁っていることから、何人の人間を斬りすててきたかがよくわかった。
というか、一応『元観光客』なんですけどね。
信じてはもらえないかな？
「シッマ知りません？」
放った瞬間、いきなり相手の態度がより悪くなる。
「シッマのストーカーか。お前に『シッマ』なんて呼ばせとーないな。」
うわ、最悪の勘違いされてるよ。あんなやつのストーカーなわけないだろ。
「とにかく…。」
「ここから出たいなら俺を倒してからにしてくれませんかねえ。」
ふうん、なるほど。倒したら帰っていいと。
元国家一流スパイの底力、見せてやる。
「受けて立ちます。」
その一言で、全ては始まった。
銃弾を素早く詰めて、数発撃つ。
しかし、剣で全て弾かれるのを見届けると、冷や汗が垂れた。
「ベレッタやな。」
ああ、よくわかりましたね、すごいすごおい。
ベレッタM9っていう短銃だよ。
でも、こっちのほうが長距離で、明らかに有利。
どう動くのかな、相手は。
もう、コネシマとかいう最低な奴は知らん。
いつのまにか、久しぶりの強敵との対戦に血が騒いでいた。
…それにしても、この人に銃はダメだな。全然効果なし。と、銃を放ち、それをフェイクに蹴りを入れようとする。
しかしあっけなくかわされ、肩をガシッと掴まれると、みぞおちに思い切り革靴で蹴りを入れられる。
革靴は硬く、冷徹な目線が私を撃ち抜いた。
「うぐっ！？」
２、３メートル吹っ飛ばされ、うずくまる。
…もうこの人に関わっちゃダメ。本能がそう訴える。
足に力を入れて立つと、コツコツと足音を立てて近づいてくる相手から逃げた。
「ほーん。まだそんな抵抗できる気力と体力あったんやな。俺の蹴りで走れるのは褒めたる。」
そんな言葉が微かに聞こえたかと思えば、革靴の立てる音が明らかに早くなる。…追いかけられてるのか。
背後から腹部を抱え込まれた。そして、耳元で囁かれる。
「なあ、お前はなんなん？ここまでの身体能力。明らかにただのストーカーとちゃうやろ。」
情報を与えたくなくて、とっさに黙った。
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夜飴月／黄泉月(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます。そろそろ終わりなので、私生活が安定してきたら更新します…！！ (2019年10月8日 19時) (
レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
りんご - はじめまして！好きです(唐突な告白)気長に更新待ってます！ (2019年9月29日 17時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月／黄泉月(プロフ) - 月さん» コメントありがとうございます。私生活が忙しく、なかなか更新できずにすみません…。 (2019年5月25日 15時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
月 - 好きすぎる！ (2019年5月23日 6時) (レス) id: 235ab58054 (このIDを非表示/違反報告)
有 - 夜飴月／黄泉月さん» はい！楽しみに待ってます！ (2019年5月5日 0時) (レス) id: 4839ac1ad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜飴月／黄泉月 | 作成日時：2019年1月18日 20時
