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第七十八話 ページ30

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「しのぶ、」


「Aの検温をと思って来てみたら…」


「胡蝶からも言ってやってくれよ、冨岡より俺の方が派手に色男だって」






もううんざりだ、みたいな顔してる宇随さん。

いや、それ私がする表情ね?
私がうんざりだからね?






「宇随さん」


「おう」


「生きていく為には呼吸をしなければなりませんよね?」


「…ん?」


「呼吸を止めてしまえば体内に酸素が取り込まれず、窒息 死してしまいますよね?」


「ああ、そりゃ…そうだな、うん」


「それです」


「は?」


「Aにとって冨岡さんは酸素なんです」


「いや、は?」


「はい、わかったら出て行ってくださいね。Aは身体を休める為にここにいるので、宇随さんがいたらここにいる意味がなくなります。さあ、早く出て行ってくださいこの野郎」


「おい胡蝶てめえ、最後おかしっ、おい!お前ら!!」






アオイを筆頭にカナヲ、なほすみきよが宇随さんを部屋から追い出してくれた。






「…しのぶ、ありがとう」


「うん。口開けて」


「はーい」





体温計を咥え、検温。





「冨岡さんとはあれきり?」


「…ん」


「Aの意識がない時は頻繁に様子を見に来てたのに」


「っ!?」


「知らなかった?」


「ん!!」


「見舞いには何がいい?なんて聞かれた時は笑っちゃった」


「んんんっ!?」


「落ち着いてね。検温中だから」






衝撃的事実…まさか義勇さんが…そんな…






「口開けて」


「あー…」


「はい、閉じて」


「ん」


「…熱もないし大丈夫そうね」


「しのぶ、ちょっとお願いが」


「冨岡さんのところに行きたいって言っても駄目だからね」


「…しのぶって超能力者なの?」


「さあ」






弧を描いた唇は女の私でもドキッとしてしまうくらい。







「来週の機能回復訓練に来るよう伝えてあるから、その時にお話したらいいんじゃない?」






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おもち(プロフ) - めぐさん» めぐさん!コメントありがとうございます!勿体なさすぎるお言葉です(T_T)ありがとうございます!! (2020年12月14日 8時) (レス) id: 58d20c225a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - you 1995121さん» 本当にいつもありがとうございます(T_T) (2020年12月14日 8時) (レス) id: 58d20c225a (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - 更新お疲れ様です。読みやすく軽快で、かつ内容も面白い文章に虜です。頑張ってください。 (2020年12月4日 22時) (レス) id: 5c4bbb7c0c (このIDを非表示/違反報告)
you 1995121(プロフ) - 更新お疲れ様です!!最終巻ともにドキドキしながら読みました!!最後まで駆け抜けてくださいっっ!!楽しみにしてます (2020年12月4日 21時) (レス) id: bca9b2866b (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 美桜さん» 美桜さん初めまして!コメントありがとうございます(^-^)!キューンとしてくださいましたか…!?あまりにも嬉しいお言葉に目から汗です(T_T)是非最後までお付き合い宜しくお願い致します! (2020年12月3日 0時) (レス) id: 58d20c225a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おもち | 作成日時:2020年11月16日 15時

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