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夕暮れ ページ15

「姫様」
椿はAの部屋に、なるべく静かに入ってきた。椿はAの前で囁いたが、小さく寝息をたてながら、Aはまだ眠っていた。日が落ちかけている。
「姫様」
今度はもっと近くで囁く。Aはぴくりと動いて、
「おはようございます…」
と、また閉じていきそうな目を擦りながら身体を起こした。

「もう夕餉の時間です」
「はいはい」
だらだらと襖を開けて、廊下を歩いていると、Aはあることに気が付いた。

「左近じゃないのですか?」
起こしに来ると言っていたと思ったのだが。
すると椿は呆れたように、
「奴なら今三成様に怒られてます」
「何故」
「勝手に賭場に行ってしかも負けたと」
(うわあ)
いかにも左近らしい理由だなと思った。

「それよりも姫様」
椿がなんだか不安そうな顔をしていたので、Aは立ち止まって振り向いた。
「何かありましたか?」

「やはり夜は眠らないのですか?」
「………」
黙るAに対して、椿は困ったような顔をした。平然とAが続ける。
「そうですね」

「私は昼に寝るからいいんですが、兄様のほうが私は心配です」
「………」
今度は椿が黙る。
「兄様寝ないんです。食事もろくに摂りません」
(兄妹そろって……!)
椿はそう思ってしまった。

「それに、私は大丈夫ですので」
夜は嫌いだ。Aには長過ぎる。
「強いて言うなら、最近やることなくて暇なんですよね」
Aはなるべく明るく、椿にそう言った。

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鶯餅(プロフ) - コメント有難う御座います!これからも更新頑張ります! (2018年5月29日 18時) (レス) id: d3725be283 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜 - 楽しく読ませて頂いてます!更新頑張って下さい!^ ^ (2018年5月29日 14時) (レス) id: df783c30d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鶯餅 | 作成日時:2018年5月2日 22時

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