兄と睡眠 ページ14
「おー。姫様、軍議終わったか」
桜と一緒に与えられている部屋に戻ると、牡丹が出迎えてくれた。
「はい。情報は後ほど桜から聞いてください」
「分かった、お疲れさん。あれか、今日も秀吉様凄かったのか」
「…ええ………ところで」
この部屋には、今、A、桜、牡丹しか居ない筈なのだが。
「姫さーん!!おかえりなさいっす!」
「どうして居るんですか……」
そこにいたのは毎度おなじみ、左近である。暇だったので、がっつり牡丹とくつろいでいたのだろう。
「姫さんに会いたくて来ちゃいました!!でも居なかったんで、牡丹さんと喋ってました!!」
「はあ…」
桜が顔だけあっちを向いて、口を抑えて笑っているのがわかった。
「会いたくて来ちゃいましたって…」
(ちゃっかり笑っている…!)
大変不愉快である。
「帰ってください………」
こちとら軍議で疲れている。暇だからって部屋に来られても正直迷惑極まりない。
左近は唇を尖らせて、
「えー、俺姫さんが好きだから来たんすよー」
「きゃー」
「好きだからて」
牡丹と桜がめっちゃ笑っている。
その意味がまったくわからないが、Aはなんだか莫迦にされている気がした。
「もうほんとに…私は疲れていますので………」
寝たい。最近寝てない。昼寝したい。寝たい。
「じゃーしょーがないっすね!!」
理解が早くて助かった。左近は立ち上がると、座布団を枕に寝転んだAを見ると、
「三成様に言っときますね!夕餉の時間になったら起こしに来ますよ!」
「言っとかなくていいです」
兄は厳しい人なので、睡眠など摂ろうものなら切り刻まれそうだと思ってしまう自分が居たりしている。
「だいじょーぶっすよ!ああ見えても三成様、姫さんには甘いほうっすから!」
左近が言うなら大丈夫かな、大丈夫だったらいいな、大丈夫だろう多分。
そう思ったので、Aは寝ることにした。
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鶯餅(プロフ) - コメント有難う御座います!これからも更新頑張ります! (2018年5月29日 18時) (レス) id: d3725be283 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜 - 楽しく読ませて頂いてます!更新頑張って下さい!^ ^ (2018年5月29日 14時) (レス) id: df783c30d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鶯餅 | 作成日時:2018年5月2日 22時